以前、富裕層やハイクラスなビジネスパーソンの男性などを中心に、脱毛する人が増えてきていることを記事にした。
ホリエモンもやっている 急増する男性の脱毛
多くの男性は脱毛の経験がないためなかなかわからないところだが、実際に脱毛を行うとどのような感じなのかを、レポートする。
対応してもらったのは全国で18院展開している大手医療脱毛クリニック「メンズリゼ」。
施術を始める前に、男性の医師とどのような施術を行うかを話し合う。希望を伝え、施術方針を決めるほか、施術前の不明な点等を質問し、解消しておく。
準備が整い、実際の施術が開始する。脱毛に使用するのは、医療レーザー脱毛機。この機械から照射されるレーザーを皮膚に当て、その奥にある毛根を破壊する。
レーザーの照準が顔に向けられ、目標が定められる。レーザーを向けると「ピー」といった音等がしそうなイメージがあったが、音は特に発しない。
レーザーが照射された。レーザーというと、レーザーポインターで使われるレーザービームのような、赤い光が直線的に放たれ、一斉に当てていくようなイメージがあるが、脱毛で使用されるレーザーはまったく異なる。
ショットガンのように、放たれるのは一瞬だ。レーザーを当てたい箇所にピンポイントで放っていく。
さてこのレーザーが、顔の皮膚に当たるとどうなるか。
レーザー照射の痛みに耐える10分間
「!」
一瞬、何が起こるかわからなかった。だが感じる、鋭い痛み。
レーザーの熱が、皮膚の奥にあるヒゲの毛根を焼き、破壊していく。その過程では、強い痛みを伴う。
レーザーはたくさんあるヒゲをめがけて、次々に照射されていく。熱い。そのたびに顔に痛みが走る。
数多くのレーザーが顔に当てられると、かすかに焦げ臭い匂いも漂い始める。レーザーの熱で、皮膚の表面が多少焼けている匂いだ。
ヒゲの毛根は奥深いところにある太いもののため、レーザーも強いものを使う必要がある。これが結構痛い。
レーザーは、連続で放たれていく。「あと何発受けなければならないのか……」と思いながら、痛みに耐える。
あごのレーザー照射が終わったのち、照準は頬に移った。散々文字通り痛い目に遭わされたあとに、レーザーの赤い光が眼の近くの見えるところに近づいてくるのは、結構恐怖感がある。
脱毛には医療関係者が行うものと、エステなどでメニューのひとつとして行われるものがあるが、レーザーを使用するようなものは、医療機関でやってもらわなければ万が一を考えると恐ろしいものがある。
照準が移ったのちは、また同じようにレーザーが次々打たれ、両方の頬にくまなく照射が行われ、終了した。
レーザー脱毛を初めて受けた感想は、「かなり痛い」女性はレーザー脱毛の経験がある人も多いが、これほど痛みを伴うものとは知らなかった。
クセになる脱毛
通常ならば5回程度行って完成する施術だが、今回は体験取材ということで、1回のみ行ってもらった。
「あんな痛い思いは1回で充分だ」というのが本音であるが、その後効果ははっきり出た。
レーザーを当てた部分は、まったくヒゲが生えなくなったのだ。その結果どうなったか、朝のひげそりが一気に楽になった。剃るヒゲの量、部位が減ったので物理的に時間を必要としなくなった。
「今日はヒゲ剃りがうまくいかなかった」といった悩みからも解放された。
もうひとつが、「夜も安心」なことだ。朝にきれいにヒゲを剃っても、夜などになるとある程度伸びてきてしまう。あごの先の首に近い部分のヒゲ、頬の部分のひげなどは、整えられていないと一気に汚らしい印象になる。
このように脱毛の恩恵を受けていたが、本来ならば5回ほど行ってようやく完成する脱毛ゆえ、1回程度行っても効果は限定的だった。
その後毛根は復活し、ほかの部分と同じようにヒゲは伸びてきてしまうようになった。
そうなると、一気にストレスが増えた。ヒゲを剃る時間は多く必要になり、夜になると汚らしく顔全体にヒゲが生えている。
「あんな痛い思いは1回で充分だ」と思ったが、一度経験してしまった楽さは捨てがたいもの。2回目の脱毛に向かうことになったのであった。
人間は未経験のものに対してはストレスが大きいが、一度経験すると慣れるもので、変わらず痛みは伴うが初めてのときに比べると、2回目以降は一気に楽になり、円滑に施術を終えることができた。
「見た目を良くする」もあるが、それ以上に大きいのが「時間の短縮」。この分野が大きく伸ばしているのもうなずける取材となった。