クレディ・スイスは世界の富裕層の動向をまとめた「グローバル・ウェルス・レポート2017」を発表した。
同レポートによると、日本の100万ドル以上の資産を持つ富裕層の数は、2016年の301万1000人から30万人以上減り、269万3000人になった。
上位13国中、10以上の国が2016年から2017年にかけて富裕層の数を増やしているなかで、富裕層の数を減らしているのは日本と英国のみで、日本の富裕層人口は昨年と変わらず2位だが、全体におけるその割合は9%から7%へと低下している(なお、昨年の同レポートでは日本の富裕層人口を「282万6000人」と発表しており、2017年版に記載の「2016年の日本の富裕層人口301万1000人」とは差がある。その理由については触れられていない)。
同レポートの2016年版は「富裕層人口が73万8000人増加し、282万6000人になった」としているが、「日本の富裕層人口増加の理由は為替レートによるもののみである」としており、ここ2年の増減は為替レートの変動による、誤解を恐れず言えば「誤差の範囲」となる。
ただし、為替変動の結果でしかないとは、見方を変えれば日本に富が増えていないということだ。同レポートの、日本経済に対する評価は厳しい。「いまだ倦怠期にある」と題し、その原因を安定しない株価と不動産価格、低金利であるとしている。
日本は今も富裕層の数で世界2位に位置しているが、成長を続ける1位アメリカとの差は相当に開いていると、同レポートは伝えている。
富裕層人口のランキングと人数、全富裕層人口における割合は以下の通りだ。
1位 アメリカ 1535万6000人(43%)
2位 日本 269万3000人(7%)
3位 英国 218万9000人(6%)
4位 ドイツ 195万9000人(5%)
5位 中国 195万3000人(5%)
6位 フランス 194万9000人(5%)
7位 イタリア 128万8000人(4%)
8位 オーストラリア 116万人(3%)
9位 カナダ 107万8000人(3%)
10位 韓国 非公開(2%)