辞任を発表したAirbnbの前CFO、ローレンス・トシ氏が社内でヘッジファンドを立ち上げ、高い収益を上げていると、ブルームバーグが報じた。
トシ氏はかつて資産運用会社ブラックストーンでCFOを務めるなど、金融や投資に深い知見を持つ人物で、Airbnbの一部資本で株、通貨、債券を購入し運用、その額は同社の昨年キャッシュフローの30%に相当し、毎月500万ドルの利益を上げているという。
そのヘッジファンドの存在が、トシ氏がAirbnbを離れることにつながるきっかけとなったと、アメリカのメディア、ベンチャービートは伝えている。
トシ氏は2018年にAirbnbの株式公開を目指すも、共同創業者のブライアン・チェスキー氏は決してしないという考えで、2人の間には亀裂が生じていた。
トシ氏はAirbnbを辞任し、同社は今年株式公開のつもりはないと改めて発表した。
得意の投資の力を活かしてより資金を集め、大きくしたいトシ氏と、必要以上の拡大に意味はないと慎重なチェスキー氏の考えに違いがあったことは想像に難くない。
だがこの報道が正しいならば、トシ氏の投資力はAirbnbに高い収益をもたらしている。
2016年に創業以来初めて黒字化したとされる若い会社の同社が、会社の資金で積極的に投資を行い、高いリターンを得ていることは珍しい。
同じような例では、Mac製品を展開するアップルが運営する資産管理会社のブレイバーンキャピタルは、資産額で言えば世界最大のブリッジウォーターを上回る規模になっている。
直近では否定したが、いつかAirbnbが株式公開をするときには、このヘッジファンドがもたらす収益は投資家を引き付ける大きなアドバンテージになると考えられる。