資産運用詐欺の見分け方|勧誘時にはこのフレーズに注意
投資・資産運用をする際は、投資詐欺・資産運用詐欺に警戒することが必要です。投資詐欺に引っ掛かると大切な資産を失ってしまい、取り返しがつかなくなります。
金融庁も注意喚起をしており、以下のような例を挙げて投資家に警戒を呼びかけています。
◆「上場確実ですので、必ず儲かります! 元本も保証します!」
◆「△△社の株(社債など)を買ってくれたら、あとで高く買い取ります。」
◆「被害を回復してあげます。その代わり、別の商品(□□社の株式・社債など)を買ってください。」
◆「郵便や宅配便等で現金を送付してください。」
◆「金融庁(その他公的機関名)の者ですが・・・・」
これらは、入金・送金後に連絡が取れなくなるなど詐欺的商法の可能性が高いため、取引を見合わせることをおすすめします。
詐欺的な投資勧誘は以下のような手口で行われることが多いので、よくある投資詐欺の手口を知っておきましょう。
「元本保証」を謳っている
投資詐欺・資産運用詐欺は、「元本保証」を謳うことが多いです。「元本は100%保証されます」や「元本割れを起こすことはありません」などのセールストークには注意しましょう。
定期預金や普通預金などを除く多くの金融商品は元本保証がなく、元本割れを起こすリスクがあります。
定期預金でも、金融機関が経営破綻すると元本1,000万円までしか保証されません。また、国債は国家が破綻しない限り元本割れは起こしませんが、リスクはゼロではありません。
「必ず儲かる」と断言する
「必ず儲かる」と断言された場合は、詐欺案件の可能性が極めて高いです。「必ず儲かります!」や「絶対に○○の価格は上がります!」などの文言で勧誘することは金融商品取引法で禁止されており、勧誘の時点で法律違反を犯しています。
そもそも確実に儲かる金融商品はなく、そのような金融商品があればわざわざ勧誘しなくても、投資家の方から率先して購入するでしょう。あらゆる金融商品にはリスクがあり、運用に失敗すると大損するリスクがあることを知っておきましょう。
「あなただけ」に伝えていることをアピールする
「あなただけ」に伝えていることをことさら強調する場合は、詐欺案件の恐れがあります。「この投資案件は誰にでも紹介しているわけではありません」「あなただから紹介しているんです」という言葉で勧誘された場合は、十分に注意してください。
そのような魅力的な投資案件があれば、わざわざ初対面の見ず知らずの人に教えたりするでしょうか?「あなただけ」とことさらにアピールするのは詐欺師の常套手段なので、疑ってかかるべきです。
「今だけ」「期間限定」であることを強調する
「今だけ」「期間限定」であることを特に強調されて勧誘された場合も、詐欺案件の可能性が高いです。「今このタイミングが一番条件が良い」や「期間限定なので本日中にお返事をください」などの文言には注意が必要です。
「今だけ」「期間限定」などの限定表現は、セールスやTVショッピングなどでもよく使われますが、顧客に冷静な判断をさせないためのテクニックです。詐欺師や悪徳セールスマンは、限定表現を多用する傾向があるので警戒してください。
資産運用詐欺の見分け方|怪しい・胡散臭い投資詐欺の手口7パターン
それでは次に、投資詐欺・資産運用詐欺の見分け方について解説します。怪しい・胡散臭い投資詐欺の手口として、以下の7パターンが挙げられます。
ポンジスキーム
ポンジスキームとは、顧客から預かったお金を実際には運用せず、別の出資者への配当に回して自転車操業を続けるものです。出資金詐欺の多くはポンジスキームによるもので、これまで多くの事件が発生しています。
ポンジスキームの具体例として「Bitclub事件」があります。出資すると仮想通貨のマイニングで得られた利益で配当金が得られると、マルチ商法の手法で投資家を勧誘しました。しかし、実際は運用は行われず、被害額は7億2,200万ドル(約800億円)にも達しました。
未公開株
未公開株とは、証券取引所に上場する前の未公開の株式のことです。未公開株を発行している企業が上場すると株価は大きく跳ね上がるケースが多いため、未公開株に投資すると大きな利益獲得が期待できます。
ただし、未公開株は投資詐欺に使われることが多く、詐欺師は「近々上場する予定の未公開株があり必ず儲かる」と嘘をついて投資家を勧誘します。
未公開株詐欺の過去の事例として、イー・マーケティング未公開株詐欺事件やワールドインベストメント未公開株詐欺事件などがあります。
高利回りファンド
高利回りファンドとは、利回りが高い投資信託などの金融商品のことです。高利回りファンドで資産運用すると大きな利益を出せる可能性がありますが、大損するリスクもあります。
詐欺師は「年利20%以上の高利回りで元本保証付き」などと嘘を言って投資家からお金を集めます。しかし実際には運用せず、集めたお金を持って逃亡を図るというのが高利回りファンド詐欺の典型例です。
高利回りファンド詐欺の事例として、ワイン投資ファンド「ヴァンネット」の詐欺事件や、加工食品のオーナー制度で3万人の被害者が出たケフィア詐欺事件などがあります。
劇場型
劇場型とは、複数の詐欺師がそれぞれの役を演じて投資家を騙す詐欺の手口です。例えば、ある詐欺師が「A社の未公開株を購入しませんか?」と話を持ちかけ、すると別の詐欺師が「A社の未公開株を高値で買い取ります」などと芝居をして投資家を騙します。
こうして投資家に「買い手を確保できているから差額で確実に儲かる」と思わせた結果、A社の未公開株を購入させ、その後は買い取ると言っていた詐欺師とは連絡がつかなくなるパターンです。
特にポンジスキームによる金融詐欺は劇場型の手口が使われることがあり、振り込め詐欺でも劇場型の手口が増えています。最近では、積水ハウスが55億5,900万円の損害を受けた「積水ハウス地面師詐欺事件」が典型的な劇場型の詐欺事件です。
情報商材
情報商材とは、主にインターネットを介して販売されている情報(ノウハウ)のことです。インターネットで注文すると、「投資で必ず儲けるためのテクニック」や「アフィリエイトで月収100万円を稼ぐ方法」などの書籍やDVDが届きます。
情報商材を使った詐欺では、内容がデタラメであったり、誰もが知っていて全く役に立たない情報を高額で売りつけます。情報商材詐欺の事例としては、「SENERの仮想通貨詐欺事件」や「神矢隆介のFrom(フロム)ネットサーフィン事件」などがあります。
外国通貨
外国通貨とは、ドルやユーロなどの外貨のことです。外国通貨は170種類以上もあり、発展途上国や政情が不安定な国の通貨は高金利ですが、金利が高くなるほどリスクも高くなります。
外国通貨を使った詐欺では、詐欺師は日本ではあまり知られていない発展途上国の外国通貨を「絶対儲かる」と言って、為替レートを無視した高額なレートで買わせます。
外国通貨詐欺の事例として、コンゴフランやシリアポンド、イエメンリアル、ウズベキスタンスムなどの外国通貨を使った詐欺の被害が国民生活センターに寄せられています。
システムトレード
システムトレードとは、コンピュータソフトウェアを使った自動売買プログラムのことです。株式投資やFXなどではシステムトレードが普及しており、大勢の投資家がシステムトレードを行っています。
システムトレードを使った詐欺の手口は、「このプログラムでトレードすると必ず利益が出ます」などと嘘をついて、高額な金額でソフトウェアを売り付けます。国民生活センターにはシステムトレード詐欺の被害が報告されており、投資家に注意喚起をしています。
資産運用詐欺に引っかからないようにするには?
ここからは、投資詐欺・資産運用詐欺に引っ掛からないようにするための対策を解説します。これらの対策を講じることで、投資詐欺・資産運用詐欺から大切な資産を守れます。
おいしい話には裏があることを心得る
資産運用詐欺に引っかからないようにするためには、まずは疑ってかかることが大切です。おいしい話には裏があることを心得るべきであり、100万単位や1,000万単位の大金を投資する案件ならより警戒すべきです。
金融商品は、一般的に利回りが高くなるほどリスクも高くなります。そのため高利回りの商品を紹介された場合には、その商品のリスクは何か、それだけの高利回りを実現できている理由は何かを必ず確認するようにしましょう。
なぜ自分に話しているのか?に注目する
投資案件の勧誘を受けた場合、「なぜ自分に話しているのか?」について注目しましょう。例えば、値上がりが確実な未公開株があれば、わざわざ人に教えたりせず、自分が購入すれば儲かるはずです。
特に関係性が薄い人やネット上で知り合ったような人から、あなたにおいしい話をする理由や義理はありません。このように、相手の立場に立って考えることが大切であり、疑問点があれば問いただしてみましょう。
明確な回答が得られなかった場合は詐欺案件の可能性があるので、投資はきっぱりと断るべきです。
インターネットで被害が出ていないか検索する
投資案件を勧められた時に怪しいと思った場合は、インターネットで被害が出ていないかを検索しましょう。金融詐欺の被害者は詐欺の実態を多くの人に知ってもらうために、SNSを使って詐欺行為の内容を投稿することが多いです。
詐欺案件でない場合も、名刺に書かれている社名や個人名などをインターネットで調べ、きちんとした会社であるのかをチェックします。それに加え、金融商品取引業の免許を受けているのかを金融庁のホームページで確認しておきましょう。
時代の変わり目には要注意
投資詐欺は時代が変化する時に多発する傾向があるので、時代の変わり目には特に注意が必要です。過去には、1999~2000年のIT株ブームや、2004~2005年のバイオ株ブームの時には多くの投資詐欺が発生しました。
ITやバイオテクノロジーなど、新しい技術が普及する際は、多くの人は新技術に対する期待もあり、関連する銘柄の株価が上昇します。そのようなときに「今、投資しておけば必ず儲かる」などと言葉巧みに詐欺案件を売りつけるわけです。
最近では、仮想通貨が流行したタイミングで、ビットコイン詐欺などの仮想通貨詐欺が多発しました。また、新型コロナウイルスで多くの方の収入が減ったタイミングでは、人の弱みにつけ込んだ悪質な金融詐欺が増えているので警戒が必要です。
適切な相談先を見つけておく
投資詐欺の疑いがある場合は、信頼できる相談機関に相談すると良いでしょう。相談先としては以下のようなものがあり、警察や国の相談窓口、業界団体、弁護士などが被害者を救済するために動いてくれます。
相談先 | 電話番号 | 相談内容 |
---|---|---|
警察 | ♯9110 | 投資詐欺は刑法第246条の詐欺罪に該当するため、被害届を提出すれば刑事事件として捜査してくれる可能性があります。 |
国民生活センター | 188 | 国民生活センターは消費者庁が所管の国の機関で、投資詐欺の疑いがある場合は電話で気軽に相談できます。 |
日本証券業協会 | 0120-344-999 | 日本証券業協会は証券会社の業界団体です。詐欺案件の疑いがある場合は連絡すると、警察と連携して動いてくれます。 |
金融サービス利用者相談室(金融庁) | 0570-016811 | 金融サービス利用者相談室は金融庁が所管の相談窓口で、投資詐欺の疑いがある場合は消費者保護のために動いてくれます。 |
弁護士 | ー | 投資詐欺の被害に遭い損失を受けた場合は弁護士に相談すると、騙し取られた出資金を取り戻すために動いてくれます。 |
また、おすすめの資産運用の相談先が知りたい方は「資産運用の相談でおすすめの窓口は?各金融機関の相談業務の特徴や違い!」もぜひ参考にしてください。
資産運用詐欺に騙されずに資産運用方法を相談したい方は?
ここまで見てきた通り、資産運用の詐欺の手口はさまざまです。近年では株式や投資信託、債券などをはじめとした有価証券以外にも、仮想通貨など新たな資産を活用した新しい手口の詐欺も横行しており注意が必要になります。
「資産運用詐欺に騙されずに、適切な資産運用方法を相談したい」という方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。
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