国際分散投資とは?
国際分散投資とは、複数の国や地域に資産を分散させる投資手法のことです。投資対象の国を複数に分散させることで、もし、ある特定の国の金融商品が値下がりしても、他の国の金融商品の値上がりで損失を補填できる可能性があります。
このように、国際分散投資は資産運用のリスクヘッジになり、損失が発生した場合でも最小限に抑えられます。なお、国際分散投資では、日本・先進国・新興国の株式や投資信託、債券、通貨、不動産などを投資対象にするのが基本です。
また、そもそも分散投資について詳しく知りたい方は「【分散投資でおすすめのポートフォリオ例】定期的なリバランスも重要?」をぜひ参考にしてください。
国際分散投資のやり方
国際分散投資のやり方は、最初に投資対象国・エリアを決め、それから投資対象の金融商品を決めるようにします。それでは、投資対象国・エリアの決め方と投資対象の金融商品の決め方について見ていきましょう。
STEP①投資国・エリアを決める
投資国・エリアの決め方のポイントは、日本・先進国・新興国の3つに絞って投資国を決めるようにします。資産を日本・先進国・新興国に分散させることでリスクヘッジが効くようになり、国際分散投資の効果が高まります。
日本国内
日本は世界第3位の経済大国であり、アジアを代表する先進国なので、投資対象としては選択肢の1つとなります。
また日本国内で暮らすことを前提とすると、日本の経済情勢や株価の推移などの情報は日々のニュースで簡単に収集できます。そのため、まずは身近な投資対象国として日本を中心に考えてみると良いでしょう。
先進国
先進国という言葉に明確な定義はありませんが、G7諸国を筆頭にOECD加盟国を先進国とみなすことが多いです。先進国の代表例としては、アメリカやヨーロッパ諸国が挙げられます。
先進国の金融商品の値動きは、基本的に新興国と比較して安定しています。また先進国の金融商品は、新興国と比べるとリターンが少ない場合が多いですが、中にはハイイールド債のような高利回りの金融商品もあります。
新興国
新興国に該当する国には、トルコやASEAN諸国、ブラジル、南アフリカ、ロシアなどがあります。新興国の経済成長率は先進国よりも高く、将来的なリターンが期待できる点がメリットです。
なお、新興国の金融商品は基本的にハイリスク・ハイリターンであり、大きな利益が期待できる反面、多大な損失が発生するリスクがあります。特に政情が不安定な国は通貨危機が発生する恐れがあるので、投資先としては慎重に検討することが必要です。
STEP②投資商品を決める
投資対象国が決まれば、次は投資対象の金融商品を決めます。金融商品は株式や債券、投資信託、不動産などがありますが、国際分散投資では複数の金融商品を組み合わせることが大事になってきます。
複数の金融商品を組み合わせることでリスクを分散でき、ある金融商品で損失が発生した場合は、他の金融商品の値上がりでリカバリーできる可能性があります。このように、国際分散投資では投資商品も分散させることがポイントです。
国際分散投資のメリット
それでは次に、国際分散投資をすることのメリットを見ていきましょう。国際分散投資のメリットは以下のとおりです。
投資対象を分散できる
投資対象の国や地域を分散させることで、リスクを下げられることが国際分散投資のメリットです。資産を日本国内・先進国・新興国に分散させておくと、日本国内の金融商品の価格が暴落しても、他の国の金融商品の値上がりで損失をカバーできる場合があります。
一般的に新興国の金融商品はハイリスク・ハイリターンですが、日本国内や先進国の金融商品に投資しておくと、高利回りが魅力的な新興国の金融商品に投資しやすくなります。
長期運用で成果が安定化する
国際分散投資で長期運用すると、長期的に安定した成果が得られることもメリットです。
日本や先進国は20世紀に経済成長を遂げましたが、現在は新興国が経済成長の渦中にあります。世界経済は新興国の伸びによってグローバルな成長を続けているので、国際分散投資をしておくことで、世界全体の経済成長の恩恵を受けることができます。
なお新興国への投資は、値上がり幅も値下がり幅も大きいという側面がありますが、この点は長期運用することで運用成果が安定化します。
長期投資では、成長する国や企業に投資することが基本ですが、どの国、どんな分野が成長するのか、なかなか予想できません。
でも地球全体では経済は成長していますから、それをトータルに取り込むことが大切です。
好き嫌いをせず、幅広く網をかけて投資すること、つまり国際分散投資が、金融資産を育てていくための「成長のしくみ」なのです。
国際分散投資を実践していても価格変動リスクは存在し、特に短期的には投資タイミングによって下落局面に直面する場合もありえます。安定した運用成果を得るためには、長期投資のスタンスで運用に臨む必要があるということを理解しておかなければいけません。
国際分散投資のデメリット
国際分散投資は投資のリスク回避に欠かせないですが、デメリットも存在します。それでは次に、国際分散投資のデメリットを見ていきましょう。
為替変動リスクがある
国際分散投資は為替変動リスクがあることがデメリットです。為替変動リスクとは、為替レートの変動により、外国通貨を円に両替するときに損失が発生する恐れがあるというリスクです。
そのため国際分散投資では、外国株式や外国債券などの外貨建て資産の運用で利益が出たとしても、円高になると日本円で受け取れる利益は減少します。
国の信用リスクがある
カントリーリスクがあることも、国際分散投資のデメリットです。カントリーリスクとは国の信用リスクのことであり、政情が不安定な国はデフォルトや通貨危機が起こりやすいです。
日本や先進国はカントリーリスクが低いですが、新興国はカントリーリスクが比較的高く、国家が破綻すると金融商品の価格が暴落する恐れがあります。
以前よりもリスク分散効果は薄れている
経済がグローバル化したことで、国際分散投資のリスク分散効果は以前よりも薄れています。例えば、2008年9月のリーマンショックや2020年3月のコロナショックでは、日本・先進国・新興国を問わず、世界中の株価が大暴落しました。
これは経済がグローバル化したことにより、世界中の投資家が情報を交換し合って同じような動きをすることに起因しています。そのため、国際分散投資をしても、世界的なパンデミックなどが発生すると、十分なリスク分散効果が得られなくなっています。
国際分散投資がおすすめな人の特徴
・世界に目を向けて投資先を検討したい
・長期的な視点でポートフォリオを組みたい
少しでもリスクを分散して資産運用したい人は国際分散投資が向いています。分散投資は投資の基本であり、金融庁も分散投資を推奨しています。投資先を複数の国に分散させる国際分散投資はリスク回避に欠かせません。
また、世界に目を向けて投資対象の金融商品を選びたい人も国際分散投資が向いています。世界中には魅力的な金融商品が多数あり、その中から最適なものを選んでポートフォリオを組みたい人は国際分散投資が最適でしょう。
国際分散投資の一環としてヘッジファンドがおすすめ
ここまで見てきた通り、国際分散投資をすることでリスクの分散になったり、長期的な視点で利益が大きくなるなどのメリットを受けられます。また、海外の商品に投資をすることで為替差益を得られる場合もあるため、国際分散投資はおすすめの手法の1つと言えます。
一方で「国際分散投資をするにも、どの国にどのような商品があり、そのうちどれに投資をすべきかわからない」という方も多いでしょう。
そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、世界中のさまざまな金融商品を組み合わせてリスク分散を得意とするヘッジファンドを紹介しているので、あなたの理想的な国際分散投資を実現をサポートしています。