退職したときに失業保険を申請しなかった場合ってどうなるの?
申請するのが面倒だし、メリットがあるなら申請したくない…
そんな方に向けてこの記事では失業保険を申請しなかった場合のメリット・デメリット、その他にも失業保険について詳細にご説明していきます。
みなさんが退職後も安心して生活できるよう、精一杯お伝えしますね!
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公的制度の給付金である以上、自分で受給申請することも可能です。
しかし、申請の手続きがややこしく、手順が複雑であるという理由で、あまり活用されていないのが現状です。
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そもそも失業保険って何?
失業保険って、そもそもどんなものなの?と疑問に思っている方も多いでしょう。
失業を考えるまで、または失業するまで失業保険の存在知らない人はとても多いです。
失業保険は正式には「雇用保険」といいます。
仕事を辞めることになった場合に、今までの給与額を参考にした失業手当がもらえる公的保険制度のことです。
この記事ではよりなじみのある「失業保険」と呼ぶことにします。
失業手当は、失業しても生活を安定した状態で保ちつつ、少しでもはやく再就職するためにあります。
しかし、退職してすぐ再就職に必死になる必要はありません。
失業手当は、ハローワークで離職提出をおこなってから7日は待期期間といい、離職理由や年齢に関係なく再就職や就職活動ができない期間になっています。
また、受給するタイミングは会社都合退職と自己都合退職でも変わってきます。
会社都合退職は、会社の倒産や人員の整理などで解雇された場合、自己都合退職は会社の雰囲気が合わないなどの場合です。
自己都合退職は、自分の病気や怪我、起業するなどの理由で退職する場合が当てはまります。
- 会社都合退職:7日後~
- 自己都合退職:7日+2か月後~
失業手当は、最大で150日間受け取りが可能ですので、ゆっくり自分と向き合って再就職先を見つけることができます。
受給できるタイミングや期間を把握し、お金の計画を立てておくことで、生活に余裕も出てくるでしょう。
受給できる金額、今までの貯金額もあわせて確認しておくといいですね。
まだ退職していない人は、生活にいくらくらいかかるのかを把握したり、記録したりする生活を始めてみましょう。
失業保険を申請しなかった場合のメリット
失業保険を申請しなかった場合のメリットは、失業保険に加入した日数が0になるということです。
ん?それはどういうこと?と思うかもしれません。
失業保険に入っていたという事実がないということは、失業保険のデメリットがなくなるということです。簡単に言うと、以下の2点です。
- 仕事をしていない空白期間がなくなる
- 雇用保険の加入期間がリセットされない
まず、失業保険を申請すると、7日間の待機期間が必要になります。
この期間は再就職、またはそのための就職活動をしてはいけない期間です。
「仕事をしていない」という事実確認をするための期間なので、この間再就職をしてしまうと給付が受けられなくなります。
失業保険を申請しなかった場合は、この空白期間が必要なくなるので、すぐに再就職ができます。
また、失業手当を受け取る場合は雇用保険の加入期間がリセットされます。
申請しなかった場合には、そのまま継続して期間がカウントされていきます。 失業保険に入るには、退職日前の2年間で雇用保険加入期間が通算12か月以上あることが必須です。
失業保険を受け取ると、再就職して1年以内に退職しても失業保険の給付を受取ることができません。
失業保険に申請しなかった場合は、雇用期間の加入期間がリセットされないので、すぐに退職してしまっても給付を受取ることが可能です。
失業保険を申請しなかった場合のデメリット
失業保険を申請しなかった場合のデメリットは、金銭的負担がかかってしまうことです。
退職した後はもちろん働いていないので、その期間は給与を受け取ることはできません。
退職した月は生活できても、その次の月に給与がはいらないので生活が苦しくなる可能性があります。
失業保険は退職した日以前の6ヵ月の給料を参考に、45~80%の金額を受給できます。
そのため、金銭的にはかなり楽になること間違いなしです。
申請しなかった場合、貯金を使うことになっていくので、自分の貯金額と生活費をよく把握することが必須です。
会社を辞めて社食がなくなってお惣菜や外食に使うお金、光熱費などが増え、意外とお金を使うことになってしまったというケースもあるので、その点も踏まえて見積もりをするといいでしょう。
申請しないほうがいい場合は以下の場合があてはまります。
- すぐに再就職、または起業する場合
- 貯金が十分にあり、なるべくはやく再就職したい場合
すぐに再就職したり、起業したりしたいと思っている人、貯金が十分にあってなるべくはやく再就職したい場合は、雇用保険加入期間をリセットするともったいないです。
また、おすすめはしませんが、再就職して1年以内に他の仕事に転職したり起業したいと思っている人も失業保険に申請しないほうがメリットが大きいでしょう。
失業保険っていくらくらいもらえるの?受給期間は?
失業保険を利用する際にいくら受給できるのかは重要なポイントです。
退職した後の生活の金銭計画を立てるにも、退職前に必ず確認しておきましょう。
これからどれくらいもらえるのか、どのくらいの期間受給できるのかは簡単に計算できます。
みなさんもさっそくシミュレーションしてみましょう!
失業保険の受給金額
会社都合退職でも、自己都合退職でも失業手当の金額は、「給付日数×基本手当日額」で計算できます。
必要な式をまとめたので、ぜひ自分の該当する数値を代入してシミュレーションしてみてください。
受給額=給付日数×基本当日額
基本手当日額=賃金日額×給付率
賃金日額=退職前半年の総額÷180
賃金日額、基本手当日額には上限・下限があるので注意する必要があります。
下限額は年齢に関係なく賃金日額は2,500円、基本手当日額は2,000円となっています。
上限額は年齢によって変わるので、以下の表を参考にしてください。
離職時の年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限 |
30歳未満 | 13,630円 | 6,815円 |
30歳以上45歳未満 | 15,140円 | 7,570円 |
45歳以上59歳未満 | 16,660円 | 8,330円 |
60歳以上65歳未満 | 15,890円 | 7,150円 |
計算をするうえで重要な給付率は以下の通りです。
離職時の年齢 |
賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
29歳以下 | 2,500円以上5,010円未満 | 80% | 2,000~4,007円 |
5,010円以上12,330円以下 | 50〜80% | 4,008~6,165円 | |
12,330円超13,630円以下 | 50% | 6,165~6,815円 | |
13,630円 上限額超 | ー | 6,815円 | |
30~44歳 | 2,500円以上5,010円未満 | 80% | 2,000~4,007円 |
5,010円以上12,330円以下 | 50〜80% | 4,008~6,165円 | |
12,330円超15,140円以下 | 50% | 6,165~7,570円 | |
15,140円 上限額超 | – | 7,570円 | |
45~59歳 | 2,500円以上5,010円未満 | 80% | 2,000~4,007円 |
5,010円以上12,330円以下 | 50〜80% | 4,008~6,165円 | |
12,330円超16,660円以下 | 50% | 6,165~8,330円 | |
16,660円 上限額超 | – | 8,330円 | |
60~64歳 | 2,500円以上5,010円未満 | 80% | 2,000~4,007円 |
5,010円以上11,090円以下 | 45~80% | 4,008~4,990円(*3) | |
11,090円超15,890円以下 | 45% | 4,990~7,150円 | |
15,890円 上限額超 | – | 7,150 円 |
被保険者期間 | ||||||
1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 | ||
離職時 の 年齢 |
30歳未満 | 90日 | 91日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上 35歳未満 |
91日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上 45歳未満 |
92日 | 150日 | 181日 | 240日 | 270日 | |
45歳以上 60歳未満 |
93日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上 65歳未満 |
94日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
失業保険の受給期間
失業保険の受給期間は、会社都合退職と自己都合退職で異なります。
会社都合退職の場合は、以下の表に沿った期間になります。
最大330日というのは驚きですよね!
被保険者期間 | ||||||
1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 | ||
離職時 の 年齢 |
30歳未満 | 90日 | 91日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上 35歳未満 |
91日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上 45歳未満 |
92日 | 150日 | 181日 | 240日 | 270日 | |
45歳以上 60歳未満 |
93日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上 65歳未満 |
94日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
自己都合退職の場合は以下の通りです。
意外と単純で、簡単に計算できるので皆さんも試してみてください。
被保険者期間 |
|||
10年未満 |
10年以上20年未満 |
20年以上 |
|
65歳未満 |
90日 |
120日 |
150日 |
失業保険の受給期間・金額を簡単に計算する方法
計算が苦手な人もいますよね。私もどうしても苦手で…
そんな人のために、簡単に失業保険で受給できる金額・期間を計算してくれるサイトをご紹介します!
- 退職前6ヵ月の賃金総額
- 離職時の年齢
- 被保険者期間
以上を入力するだけで、すぐに計算してくれます。
さっそくシミュレーションしてみましょう!
失業保険を受給するまでの実際の流れから必要な書類まで解説!
記事を読んで、やっぱり失業保険の受給は受けたい!
と思った方に向けて、申請方法をご紹介しますね。
まずは失業保険をもらうために必要な書類を用意しましょう。
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険者離職票1(資格喪失確認通知書)
- 雇用保険被保険者離職票2
- 写真付き身分証明書
- 証明写真2枚(3cm×2.5cm)
- 印鑑 本人名義の普通預金通帳
- 求職申し込み書
- 個人番号確認書類
失業保険のもらい方は簡単ですが、手続きをしっかりと踏んでいかなければいけません。
まだ手続が終わっていない人、これから手続きをしようと思っている人はさっそく準備していきましょう。
大きく分けて、ステップは6つです。
- 書類を提出
- 待期期間をゆっくり過ごす
- 雇用保険受給説明会に参加する
- 求職活動をする
- 初回失業認定日にハローワークに行く
- 定期的にハローワークに行く
まずは、ハローワークに行って求職申し込み書、離職票を提出しましょう。
ハローワークは会社ではなく、自宅のエリアを管轄としているところに行く必要があります。
失業保険の申請期限は、離職日の翌日から1年以内です。
しかし、退職後から給付まで時間がかかるので、退職をしたらすぐに手続きをしましょう。
書類提出をすると、その場で面談がされ、退職理由などを問われます。 受給の資格があるとみなされるとこの時点で決定され、「受給資格決定日」となります。
失業保険の申請手続きを終えると、その後は失業状態にあるかを確認する期間が設けられます。
これを待期期間といい、7日間働いてはいけませんし、就職活動もしてはいけない期間です。。
この期間で働いていた李、アルバイトなどでも収入を手にしていた場合は待期期間が延長されます。
7日間の待機期間を終えて、その翌日から失業保険の受給期間がカウントされていきます。
待期期間を終えたら、申請手続きを行ったハローワークに再度向かいます。
ここで開催する「雇用保険受給説明会」への参加が必須です。
この説明会を行う日時は、受給者の資格を決定した日に指示があります。
1週間から3週間程度の間に設定されるので、設定された日時に忘れずに行くようにしましょう。
この説明会では初回の「失業認定日」が通知されます。
ここまでの時間は受給者資格決定から28日程度です。
求職活動は、失業認定日までに行いましょう。
失業認定日は失業保険の支給が決定される日のことです。
忘れないように記録しておきましょう。
- ハローワークでの就職相談
- ハローワークでの紹介状の発行
- 転職サイトでの求人応募
以上のような「求職活動」を会社都合の場合で退職する場合は、初回失業認定日までで1回の実績が必要になります。
実は知人伝手で再就職を…と考えている場合でも、ハローワークや転職サイトを経由しての活動が必要です。
もしその会社が経由するツールを使用していない場合は、1度でいいので実績作りの求職活動をしましょう。
実際に行動に移すのが辛い場合でも、今1度行動してみると意外と前向きになれたり、転職活動の計画を立てるきっかけになると思います。
まずは1歩、踏み出してみましょう。
初回の失業認定日にハローワークに行き、書類審査と面談をします。
その際に仕事についていない事、求職活動をしていることが認められた場合は、失業保険の支給が決まります。
初回の失業認定日から約1週間で受給期間分の失業保険手当金が銀行口座に振り込まれます。
実際は3日以内に振り込まれる場合が多いようですが、なるべく先にもらえると思って金銭計画を立てるといいでしょう。
その後は4週間に1度失業認定日にハローワークに行き、その1週間後に振り込まれる、それを繰り返していくような流れです。
自己都合退職の場合、待期期間終了から2か月間は給付の制限がかかっているため、失業手当をもらうことができません。
2回目の失業認定日が来てから、4週間に1度ハローワークに行きます。
その後、4週間に1度銀行に振り込まれるような流れです。
2か月間の給付制限を忘れてしまう人も多いので、金銭計画をしっかり立てておきましょう。
少し面倒になるかもしれませんが、手当をもらえない苦労よりは良いと思って忘れないようにしましょう。
失業保険でよくある質問
- 失業保険でもらったお金に税金ってかかるの?
- 失業保険は給付金なので、所得扱いではありません。
もらう金額に関わらず税金はかからないので安心して受給できます。
- 失業保険は正社員じゃないと受給できない?
- 失業保険は正社員でなくても受給可能です。
・離職日前2年間で雇用保険加入期間が満12か月以上
・離職日からさかのぼって1か月ごとに区切った機関で賃金支払いの基礎となった日が11日以上ある月が6ヵ月以上あること
以上の条件を満たしていれば失業保険の受給ができます。
普通に働いていれば、1年以上勤務で受給できるはずです。
- 失業保険の手続きが面倒なんだけど簡単に済ませる方法はないの?
- 何でもそうですが、機関で手続きを進めていくのは本当に大変ですよね。
ですが、ちゃんとサポートしてくれる機関があるんです!
どうしても、さまざまな手続きがあったり、手順が分からなかったり…
自分で調べて実行するのはかなり労力を使います。
「社会保険給付金サポートはそんなめんどうなプロセスを手伝ってくれたり、受給額を最大限にしてくれたりと使わなきゃ損なツールなので、ぜひ利用しましょう!
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まとめ
今回の記事では、失業保険を申請しなかった場合のメリット・デメリットについてや、失業保険という制度についてご紹介しました。
失業保険を申請しなかった場合でも、人によってはメリットになることもあることが分かりましたね。
しかし、やっぱい給付金がないと生活が心配な人も多いでしょう。
今回ご紹介した計算サイトを活用してシミュレーションしてみるといいですね。
自分に合った方法を選んで、再就職まで無理のない生活をすることで、気持ちよいスタートが切れるといいですね。