リーマン破たんの引金弾いた女CFOのメール

 経営破綻した米証券大手リーマンブラザーズが2008年に、著名ヘッジファンドマネージャーのデビッド・アインホーン氏に空売りを仕掛けられたが、この直前のリーマンCFOとアインホーン氏両者によって交換されたメールによって克明に蘇っている。

 やりとりの記録は法律事務所が保管していたもので、米ブログのディールブレイカーが公開している。

 08年5月にNYで行われた投資家向けカンファレンスで、アインホーン氏はリーマンの会計の疑わしさを指摘し、空売りの仕掛けを狙っていた。その後、両者は電話で話をしたが、話はまったくの平行線をたどった模様だ。

 そして5月19日、アインホーン氏が「あれが最後通告だったんだ」と告げた。

 同日、CFOのカラン・エリン氏が返信。「あなたは不誠実だと感じる」「あなたは、チェリー・ピッキング」などと批判した。チェリー・ピッキングとは、自らに都合の良い事柄を並べ立てることを指し、いいところどり、つまみ食いという意味でも使用される。

 そして翌20日、アインホーン氏は「不誠実という言葉は受け入れられない」と冒頭から否定し、この回でメールのやりとりは終了した。

 リーマンはその数カ月後の9月15日に、連邦倒産法第11章の適用を連邦裁判所に申請し倒産した。


エレン・カレン氏(WSJ紙面より)

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