「高卒の英雄」ベストバイ創業者が全保有株売却

 米家電量販店大手のベストバイの創業者リチャード・シュルツ氏(71)が、自身が保有する株式約6600万株を売却することが7日わかった。

 同社が米証券取引委員会(SEC)に提出したファイルによると、シュルツ氏は6690万ドル、20.1%を保有している。

 売却先はいくつかのプライベートエクイティ、投資銀行などの名前も挙がってはいる。ベストバイは、アマゾン、ウォルマートなどとの小売競争では後塵を拝する展開が続いており、ここ5年間で約60%も株価は下落している。また、この発表でも株価は下げるなど、市場では振わず、売却額は見えない。

 6日の終値1株=19.70ドルで計算すれば、売却額は約13億ドルとなる。

 同社は、ブライアン・ダン前最高経営責任者(CEO)が、部下の女性社員と不適切な関係があったとの事実から就業規則違反で、会長のシュルツ氏はその責任を取って辞任することになっていた。

 シュルツ氏はミネソタ州生まれで高校卒業後は、米空軍で勤務。退役後にベストバイを創業し、全米屈指の小売チェーンに育て上げた立志伝中の人。フォーブスの長者番付では資産は20億ドル、世界で634位の長者である。しかし、必ずしも美しい去り際ではなかったことが悔やまれる。


リチャード・シュルツ氏

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