写真で届ける世界遺産(ポルトガルその5、火事に遭遇した世界遺産の街アルコバサ)

 世界遺産アルコバサ修道院はリスボンから列車で2時間半、さらにバスで行きます。世界遺産バターリャ修道院はリスボンから列車で3時間、さらにバスで20分。どう考えても列車とバスでの日帰りは無理なので、二つの世界遺産を一日で廻ることができるリスボン発のバス・ツアーに参加しました。

 最初にバスが立ち寄った街はオビトス。「谷間の真珠」と称される城壁の中の可愛い街です。



 古い街並みを歩いてるのは、中世の兵士達。タイムスリップか? はたまた目の錯覚か?
 この日は奇妙な出来事が続くのですが、この兵士達は映画撮影のエクストラの一行で、撮影場所に向かって歩いているところでした。


 オビトスを後にして、アルコバサにやってきました。世界遺産の修道院の真ん前ですが、民家が火事です。これは映画の撮影ではなく、本物の火事。燃える屋根の上で消防士が必死に放水をしてますが、火の勢いが強いのであまり効果がありません。


 火事をもうちょっと見ていたかったのですが、ツアーなので、ガイドさんと一緒に修道院に入りました。ガイドの女性は英語とポルトガル語を話しますが、ツアーに参加した他4名のお客さんがブラジル人なので、ポルトガル語での案内があり、次に英語の案内があります。

 1153年に着工し、70年かかって完成したというゴシック様式の大聖堂です。風格がある立派な修道院でした。



 高さ20メートル、奥行き106メートルの壮大な空間の内部には華美な装飾や彫刻はなく、簡素な印象を受けました。


 唯一の彩りは繊細な装飾が施されたペドロ一世の石棺で、妃の石棺とともに見事な彫刻でした。


 大聖堂の見学中も気になって仕方がなかった先程の火事ですが、ようやく勢いが衰えてきました。手前の石柱は大聖堂正面を飾るマヌエル様式の彫刻です。


 次にバスは港町ナザレに立ち寄り、ここでランチ休憩。ナザレは美しい海岸や、生活感溢れる狭い路地などがあり、ポルトガルの代表的な観光地ですが、世界遺産ではないので、ここでは街の中心広場の写真を1枚掲載します。


 さて、次にやってきたのが、世界遺産バターリャ修道院です。1385年から1533年まで150年の歳月をかけて完成したガッチリとした修道院です。


 150年もかかると、建設様式も途中で変わり、簡素なゴシック様式と豊かで繊細な装飾があるマヌエル様式が混在しています。


 ステンドグラスの明かりが、柱に反射して美しい模様を描いていました。


 バターリャ修道院を後にして、やってきたのが聖地ファティマです。1917年に3人の子供達の前に聖母マリアが出現する奇跡が起こり、カトリックの聖地となりました。正面がネオ・クラシック様式のバジリカです。


 朝8時20分に迎えのバスがきて、オビトス、アルコバサ、ナザレ、バターリャ、ファティマと廻ったツアーは19時にホテルに戻りました。

 沢山の観光地を効率的にバスで廻り、英語のガイドも付いて、お一人様72ユーロだったので、お得なツアーだった思います。ちなみにバターリャ聖堂院は1983年、アルコバサ聖堂院は1989年に世界遺産の指定を受けました。

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