中国上海・ルイ・ヴィトン直営店のターゲットは超富裕層

 中国人が最も好きなブランドは仏「ルイ・ヴィトン」だという。このたび、ルイ・ヴィトンは中国で最大となる新店舗を上海にオープンさせた。オーダーメードの商品なども扱う新店舗のターゲットは、超富裕層だ。新華ネットが伝えた。

 ルイ・ヴィトンは1992年に中国に進出して以来、富裕層の拡大に伴って、売上げを伸ばしてきた。2008年の上海万博の開催に合わせ、おしゃれなストリートとして多くの人で賑わう淮海中路・力宝広場に大規模な直営店を開業。昨年は内陸部の重慶市にまで進出した。

 勢いに乗っている中国のルイ・ヴィトン市場だが、あまりに広まりすぎて、一部の超富裕層の間では、「大衆的」と敬遠する人もいるという。また、エルメスなど他の高級ブランドとの競争も激しい。

 そんな中、新しく上海にオープンした店舗「メゾン」。中国最大で、4階建てのフロアに100人以上のスタッフが客を迎える。フルラインをそろえる他、麻雀牌のケースなども取り扱う。また中国国内では唯一、手袋や靴などのオーダーメードも可能だ。ルイ・ヴィトンのイブ・カルセル最高経営責任者は、「オーダーメードは芸術作品と同じ。もし芸術に惚れ込んだら、既製品を買うのではなく、アーティストに制作を依頼するのが、最高のラインだ。」とアピールする。

 一方で、オープンのタイミングが悪いとの見方もある。中国は今年第1四半期の実質成長率が、3年ぶりの低成長となった。これに伴い、ブランド品市場もかげりを見せ始めていて、イギリス・バーバリーは、売上げの伸びが鈍化したと発表している。

 それでも、ルイ・ヴィトンは攻めの姿勢を変えないようだ。イブ・カルセル最高経営責任者は、これに続いて北京や杭州にも直営店をオープンさせると表明している。

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