弁護士がリングで闘い続ける理由

そこまでする必要があるのか?


花道を歩く堀鉄平さん
 たった6メートル四方しかない格闘技のリング。この狭いスペースに居場所を求める選手は多い。汗と血が飛び、骨のきしむ音が聞こえ、選手が苦悶の表情を浮かべる。逃げ道もなく試合を戦い抜き、勝者だけが輝きを享受できる世界。そんな特殊な場所に、人生を賭ける弁護士がいた。それが堀鉄平さん(32)だ。

 弁護士法人「マーシャルアーツ」の代表を務めながら、前田日明さん率いるリングスが主催する格闘技大会「THE OUTSIDER」に出場している。ここでは3戦3勝。柔術では100戦以上のキャリアを持つ。DEEP、ケイジフォースなど他の大会からも出場の誘いが来るほどの知る人ぞ知る存在となっている。一般的に社会的なステータスが高い職業・弁護士。しかし、ひとたびリングに足を踏み入れると、職業など関係ない。

 「今、自分が試合に出るのは、勝ち負けだけのためじゃありません。もう強くなりたいという域は出ていて、何か弁護士として意義のあることをしたいと思っているからです」

 単純に競技として勝ち負けだけを追い求めるには、32歳という年齢は体力と気力ともにツラいだろう。しかし、本人は戦う理由があるかぎりリングに上がり続けたいと思っている。

 いったい、どんな弁護士なのか?

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