続・弁護士がリングで闘い続ける理由

リングの上で気づいた天命

 堀鉄平さん(32)は弁護士法人代表として、仕事も順風満帆で、世間から見れば何不自由ない生活を送れるはず。しかし、それでも総合格闘技の選手としてリングに上がる。必要はないのではないか? 誰もがそう思うかもしれない。しかし、大きな計画があるために、闘いをやめるわけにはいかない。

 堀さんが参戦している総合格闘技の大会「THE OUTSIDER」。これは大会コンセプトが「不良達ヨ、覚醒セヨ。」というもの。いわゆる格闘技を通じて更生の道を用意し、優秀な選手をメジャー団体を含めた大会にプロデビューさせることを目標にしている。一応、名誉のために書き加えておくが、堀さんは別にドロップアウトしたわけではない。

 堀さんは「出ること自体が更正になると思っています。要はエネルギーがどこへ向かうか何です。まだまだ再犯率が高いのが現状ですが、エネルギーを正しい方向に向けさせることができれば、更正につながると思います」と話す。

 警察庁によると平成19年の再犯率は約40%。また凶悪犯は、さらに再犯者の割合が高くなる傾向は毎年変わっていない。THE OUTSIDERのリングで若者たちが闘う姿こそが大きなヒントとなったようだ。

 「格闘技イコール更正」という考え方に行き着いた堀さん。格闘技道場を柱とした更正施設を作る計画を持つにいたった。


堀鉄平さん(左から2人目)。前田日明さん(同3人目)

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