デビアス一世紀にわたる一族支配が終焉


アーネスト・オッペンハイマー氏 (デビアス公式サイトより)
 世界最大のダイヤモンド採掘会社デビアスは3日、アングロ・アメリカンのシンシア・キャロル最高経営責任者(CEO)を会長にすると発表した。オッペンハイマー家の支配が続いて世界的大企業で、初のファミリー以外からのトップ就任となった。

 同社は1888年にセシル・ローズ氏が創業。20世紀に入ってからオッペンハイマー家が大株主となり、それ以降は現在までトップである会長職は一族によって継承されて占められてきた。

 金鉱採掘会社アングロ・アメリカンはオッペンハイマー家の長であったアーネスト氏が創立。1926年からデビアスの大株主となってきた。昨年アングロは、デビアス株のうちオッペンハイマー家所有分の買収することで合意し、85%を保有している。

 オッペンハイマー家時代のデビアス全盛期には、世界のダイヤモンド原石の取引のほとんどを占める帝国を築き上げたが、

 かつてデビアスは株式上場していたが、2001年にオッペンハイマー家がデビアスの上場を廃止して実質的に私有化していた。その際に使った原資がアングロ・アメリカンの資金だった。

 ダイヤモンド原石市場もかつてのような独占はなく、先行きに不透明感もあり、オッペンハイマー家はダイヤへの情熱を失ったとも言われていた。十分な富を手に、表の世界からは手を引くことになる。

 ここにまた、古い歴史が去り、新しい歴史が築かれていくことになるだろう。

 キャロル氏は「偉大な企業の会長に就任することができ、たいへん光栄に思います。今後は経営陣を引っ張り、ダイヤモンド業界の世界リーディングカンパニーとして経営をを支えてまいります」とコメントしている。

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