【月刊闇株新聞】米国大統領あれこれ、2人に1人は再選

 11月6日に米国大統領選挙が行われます。両大統領候補の直接討論会(3回)が終わった時点ではオバマ大統領が僅差でリードしており、そのまま「逃げ切り」そうです。

米大統領の権限とは

 ロムニー候補は主張する「強いアメリカ」と自身のイメージがどうしても重ならず、また主張が微妙に変わるため、経済不振に苦しむオバマ候補を「追い切れなかった」と言えます。

 ロムニー候補が米国では少数派のモルモン教徒で、共和党の大票田のキリスト教福音派から完全に支持されなかったこともあるかもしれません。

 米国では日本と違って立法と行政が厳格に分離されています。米国大統領には行政の最高責任者として各省長官、各国大使、連邦判事、FBIおよびCIA長官、FRB理事などすべての連邦公務員の任命権と罷免権、それに条約締結権があります(ただし上院の3分の2以上の賛成による承認は必要です)。

 大統領には米国国軍の最高司令官としての指揮権があります。宣戦布告は議会の権限ですが、最近は大統領の指揮権の範囲内と解釈されているようです。また核兵器の使用権は大統領だけにあります。

 一方、大統領も副大統領も議員ではないため議案提出権がありません。また年頭の教書演説以外には議場にも入れません。副大統領は上院議長も兼ねるのですが、上院の議決が同数になった時の投票権があるだけです。

 また、大統領には議会で成立した法案への拒否権があり、逆に議会には大統領を罷免できる弾劾裁判の権利があります。弾劾裁判は過去クリントン大統領のケースをふくめて2回あるのですが、罷免されたケースはありません。

 さて、米国大統領は1789年4月30日に初代のジョージ・ワシントンが就任して以来、現職のオバマ大統領まで44代・43人います。数が合わないのは22代のグロバー・クリーブランドが1期空けて当選しているので24代大統領でもあるからです。

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