今週の週刊経済誌ランキング1位は日経ビジネス

 今週の週刊ビジネス誌は4つとも、揃ったように中国関連特集。その中でもランキング1位は「日経ビジネス」とした。同誌だけは中国を第2特集に持ってきていたが、これは5年に一度開かれる共産党大会を意識したものとなった。ただ、ここで評価するのは、第一特集の「ファストファッションはいかにして作られるのか」だ。

 ◆1位 日経ビジネス 安くておしゃれなファッションの製造現場
 副題は「潜入! 高速サプライチェーンの舞台裏」。他経済誌とは一線を画す変化球が最近の日経ビジネスの持ち味になりつつあるが、今週もまさにそんな感じの特集だ。

 特集はファストファッション最大手にして利益率も高いザラをまずレポート。各店舗に実質発注権を与えない、製品の5割をスペイン本社工場で生産する、できた製品はすべてスペインにいったん集約して改めて輸送するなど、他社と違う独自の戦略を紹介することで業界全体像が見えてくる。

 ◆2位 週刊ダイヤモンド 中国撤退の際に注意すべき8カ条
 「中国 撤退か継続か」として、国際コラムニスト加藤嘉一氏が「新指導部を巡る権力闘争の深層」を解説する。さすがに詳しい。加藤氏、「中国で一番有名な日本人」という。注目されたことで「週刊文春」に経歴詐称を取り沙汰されているが、現在の中国を語らせるには適任だろう。

 ◆3位 週刊東洋経済 結社の自由がない国にイノベーションは起きない
 「徹底検証『中国リスク』対立長期化に備えよ」だ。中国指導部は「石原氏と野田首相は最初から共謀して(尖閣諸島の)国有化を進めてきたと見なしている」(北京の日中関係者)。この石原氏を発端とする「驚くべき誤解」の裏で、「お互いの強硬姿勢によって増幅された中国リスクが、日系企業に襲い」かかっているのが現状なのだ。

 ◆4位 週刊エコノミスト 中国は本当に終わっているのか?
 こちらは中国の国内事情に主力を注ぎ、「中国の終わり」という激しいタイトルだ。「日本こそ終わってるだろ!」と中国側からツッコミが入ってきそうだが、副題は「高成長、
輸出主導経済の終焉」。総まとめ的な内容だが、中国の現状も「習政権が抱える3つのアキレス腱」をマクロ的にわかりやすくまとめている。

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