いつの間にか「詐欺師天国」になっていた日本

 「年利50%」「元本保証」などを謳う投資案件。そんなおいしい話を疑いもせず信じる人が本当に多い。今年の11月末時点で被害総額は約162億円にまで増えているが、これは昨年の2倍以上にもなる。なぜ、このようなことが起きているのだろうか?

被害金額は2年前の13倍に

 ありとあらゆる投資詐欺事件が明るみに出ているが、たとえばスポーツ賭博への投資会社「スピーシー」は被害総額は400億円規模になるとの可能性も指摘されている。また、札幌市の歓楽街ススキノで主犯格の男が「マネーロンダリング」していた投資詐欺集団も30億円を集めたとされる。

 警察庁のまとめによると、「金融商品詐欺」は22年(2月から集計)は112件、約7億円。翌23年が773件、約70億円と約10倍に激増。さらに今年に入ってから11月末時点で1748件、約162億円と、とどまるところを知らない。

 その理由の一つに、「人材」の流動化にあるという。犯罪に詳しいフリージャーナリストは「振り込め詐欺とか、オレオレ詐欺と呼ばれていた連中が、こっちに移ってきているからです」と話す。

 一度、詐欺で味をしめた人間は、必ず同じところへ帰ってくる習性がある。特に最近はよく呼ばれる「半グレ」という人種は、緩いソーシャル的なつながりを持ち、プロジェクト単位で、こうした詐欺を働くという。

 また、同じ手口は通用しないために、より習熟化、高度化したスキームを持って、羊の皮をかぶり、われわれ市民の前に表れている。

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