売りたくないのも納得の? 東電病院

 東電の資産の中でも超優良資産とされる、東電病院(東京都新宿区)。しかし、一般患者を診察しない職域病院であるに関わらず1台10億円以上の検査機器を導入するなど、いかに「もったいない」施設であるかが判明した。都心部ということもあり、土地と建物合わせて120億円以上の資産価値があるとされる。もちろん、底なしの賠償には二束三文にしかならないのだが、間もなく入札が開始される予定である同病院を改めて検証してみた。

バイト代が高いとの噂

 「なぜ売却リストに入っていないのか」。


 そう口火を切ったのは昨年6月の定時株主総会だった。大株主であった東京都の猪瀬直樹副知事(当時)が質問した。東電病院は他の企業や団体の職域病院と違って、社員とOBのみの診察しかしない。

 外部の医師の間では「バイト代が他よりもいい病院」との評判が立つなどしていたが、一般の認知度はまったくと言っていいほどなかった。もちろん、そこにあった盲点を質問でぶつけたのだった。

 東電の山崎雅男副社長(当時)は、医師が福島の作業員への医療行為を行うために現地に派遣している旨を述べた。東京都は6月27日の総会直前の24日に立ち入り検査を行っており、猪瀬副知事は、土日に1人しか派遣していない事実をつかんでいた。

 逃げ場を失った東電は、議長の勝俣恒久会長(当時)が売却の検討を行うことを明言し、その場を収めるしかなかった。

 東電はその後3カ月がすぎた10月1日、正式に売却を発表したのだった。

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