「ウソツキ検事はこうして生まれた」大阪地検特捜部証拠改ざん事件「闇の番人」田中森一(2)

 厚生労働省の事務次官に就任した村木厚子氏。局長時代には郵便不正事件で逮捕され、大阪地検に取り調べを受けたが、証拠捏造など検察のあるまじき不正によって、無罪判決が出た。なぜこのような不祥事が発生したのか、検察庁とはどのような病巣を抱える組織なのか。元特捜検事でもある田中森一氏が解説する。(以下敬称略)

仕事は叩き上げ、出世はキャリア組と閨閥


霞が関
 「東京地検の特捜の検事には3種類いる。東大法学部出身の法務省キャリア、偉いさんの息子、娘を嫁にもらった閨閥を後ろ盾にするエリート、あとはわしのような叩き上げだ。仕事の大半は我々、叩き上げが担っているが、それを手柄にするのはキャリアや閨閥エリート。出世するのも大半は彼らだ」

 検察庁は法務省の一機関、検察上層部は官僚、そもそも基本的に検察の捜査方針はすべて国策によるもの。

 前回の田中の指摘も含め、検察庁のそんな体質の中で、障害者郵便制度悪用事件の被告、村木厚子元局長の無罪判決。前田恒彦担当主任検事による証拠物件の改竄による証拠隠滅容疑、当時の前田の上司である大坪弘道特捜部長、及び佐賀元明副部長の犯人隠避容疑で、それぞれ逮捕という一連の事件が発生する。

 「証拠品まで偽造とは異例中の異例だけど」

 なぜ、そんな事態が生じるのか。

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