資産30億ドルの平均的大富豪は家を4つ保有

 シンガポールの調査会社ウエルスXが発表した、大富豪の平均像を示した「ビリオネアセンサス2013」によると、金額にして約2000万ドル、平均的に4つの自宅を含めた不動産資産を保有していることが明らかになった。

 資産10億ドル以上のビリオネアは2170人で、リーマンショック直後の2009年の810人から実に3倍以上に増加している。この調査はスイスの金融機関UBSと共同で行ったものだが、趣味や不動産資産にも焦点が充てられている点で新しい。

 平均的なビリオネア像としては、総資産30億ドル。そのうち、キャッシュは18%の5億4500万ドルだという。資産の内訳は次のとおり。

      割合 1人あたり平均額
・個人会社 42% 12億7000万ドル
・上場株式 35% 10億5000万ドル
・現金など 18% 5億4500万ドル
・不動産  3%  7800万ドル
・高級品  2%  5800万ドル
        合計30億ドル

 例えば世界一の大富豪であるビル・ゲイツ氏を見ても、マイクロソフト株は全資産に占めるたったの17%にすぎない。自身の投資運用会社カスケードインベストメントには、51%の資産を置いている。ただ、同社は上場企業にも投資しているために、実質的に上場株式の比率はもう少し高くはなるのだが。

 不動産は3%だが、1人あたり平均額は7800万ドル。4つの家を持っており、一つあたりの資産額は約2000万ドルになる。

・23%が、ビジネス拠点かもしくは居住拠点とする都市に2つの家を持つ
・39%が、ビジネス拠点のある州に2つ以上の家を持つ
・75%が、ビジネス拠点のある国に2つ以上の家を持つ


 こう見ると、国内に2つ。そして海外に2つといったところだろうか。一般的に租税回避論もよく出てくるが、実際にはビジネス拠点に2つの家を持つことからも比重の置き方は明らかで、租税回避のための移住はそう考えにくい。

 チャールズ・ブランソン氏は先日、非課税であるネッカー・アイランドに移住。課税逃れの報道が出たが、理由については、ライフスタイルを挙げて、課税逃れを否定したこともあったように、ライフスタイル上の理由が大きいだろう。

 フェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグ氏は先日、カリフォルニア州パロアルトの自宅に隣接する家を4軒購入したこともあった。総額は3000万ドルだというが、この理由はマンションデベロッパーが開発計画を立てていたために、用地を取られまいとする策として講じたという珍しいケースも。もちろん、オラクル創業者ラリー・エリソン氏のように、毎年、新しい家を買うとも言われている豪傑もいるが。

 嗜好品だが、富裕層とは違い、大富豪らしく、ヨット、プライベートジェットなどが出てくる。興味の対象としては、不動産も候補に挙がっている。

高級品    総額   1人あたり
・ヨット 480億ドル  2200万ドル
・飛行機 340億ドル  1600万ドル
・アート 310億ドル  1400万ドル
・その他 130億ドル  600万ドル
合計  126億ドル  5800万ドル  

興味の対象
・アート 4.9%
・飛行機 4.2%
・不動産 3.7%
・旅行  2.9%
・ゴルフ 2.3%

 ちなみに、出身大学で最も多かったのはハーバード大学で52人、以下ペンシルベニア大28人と続いた。

         人数  総資産
1 ハーバード    52   2050億ドル
2 ペンシルベニア  28   1120億ドル
3 スタンフォード  27   760億ドル
4 ニューヨーク   17   680億ドル
5 MIT      15   1140億ドル
6 コロンビア    15   960億ドル
7 コーネル     14   350億ドル
8 南カリフォルニア 14   320億ドル
9 イェール     13   770億ドル
10 ケンブリッジ   11   480億ドル

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