「ウソつき通した」生活保護のポルシェ男

 ポルシェを保有していた韓国籍の生活保護不正受給者が兵庫県警に逮捕された事件で、外国人申請者への審査の甘さと、保険会社からの連絡で問い詰めても否認し続け、さらにケースワーカーによる訪問調査が年間2度しか行われずに不正を見抜くことができなかったことがわかった。片山さつき参院議員が神戸市の久本信也市長にメールで問い合わせをし、その回答を自身のブログで明らかにしている。

 片山氏のブログでは、このポルシェ不正受給者を「かなり悪質です。『当たり屋』といわれる輩か」と称している。事実関係の経過は次のとおり。

2011年9月 生活保護申請、受給決定
  同11月 自動車保険の保険金が20万円入る(最終的に400万円以上支給)
2012年7月 自動車保険金57万円が入る
2013年6月 ケースワーカーが不正受給者の自宅を訪問
  同8月 ポルシェ購入
  同11月 ポルシェに乗った男が発電機を盗難したとして窃盗で逮捕
2014年1月 生活保護を不正に取得したとして逮捕


ポルシェ・カイエン(写真はイメージ)
 安易に保護申請を通してしまった歴史的背景には、多くの逮捕者を出した1950年の長田事件の影響もあるのかもしれない。親族への調査がどこまで行われていたかも検証する必要がある。

 さらに、もうひとつの問題として、2011年11月の自動車事故の保険金が入った連絡が福祉事務所に届いていたことだという。片山氏は「市長も市役所側の対応に問題を認める、とおっしゃっていましたが」とする。ポルシェの男にケースワーカーが問い詰めても、否認し続けたそうだ。ちなみに購入額は500万円ほどだったそうだ。

 神戸市でも、ケースワーカーの増員を行ったが、1人が100人の生活保護者を見る割合で、訪問調査は年に2回程度だといい、生活保護申請者、受給者の増加に現場が追いつかないという実情があるという。だから、ポルシェに乗っていようとも気がつかない。

 今回は、ポルシェの男が他に刑事事件を起こし、警察という強い捜査権限があったからこそ発覚した事案。審査の甘さはもちろんのこと、関係各機関の連携が密であれば、さらに早く不正は見抜けたはずだった。

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