田中将大契約金161億円、年俸2000万円でも不安、超格差社会の現実

 プロ野球の田中将大投手(25)が、大リーグのNYヤンキースと7年1億5500万ドル(約161億円)という日本選手史上最高額の年俸契約が締結されたが、一方で同世代の日本の現役プロ野球選手は(フェニックスリーグ参加者、平均23.4歳)、年俸2000万円以上でも72.2%が不安を抱えながらプレーをしている現状がNPB(日本プロ野球機構)の調査で明らかになった。


高校生時代の田中将大選手(左)、松井秀喜氏と握手 (ヤンキース公式サイトより)
 超格差社会の典型でもあるプロ野球。田中選手が、日本人史上最高額、大リーグ史上でも5位という破格の年俸条件を締結した。イチロー選手が住む「111セントラルパーク」、松井秀喜氏、ジーター選手らが住む「トランプ・タワー」など、家賃だけで月200万~300万円ほどの家に住むことになると思われる。当然、引退後の心配も金銭面に限ってはまずないだろう。

 その一方で、引退後には職を得ることさえ難しく、日々悩む選手もいる。今回のNPBの調査では、例年のようにその辺が鮮明となっている。

 回答者の平均年齢は有効回答は239人で平均23.4歳、平均年俸が944.6万円となっている。

 引退後に不安を感じる選手は73.9%、その内訳は進路と収入で90.5%を占める。引退後の進路としては、プロ、アマ問わず監督、コーチなど指導者に興味を持つ傾向がみられた。これは高年収よりも、野球に携わりたいというという意思がうかがえる。

 年齢的なものでも、18~22歳の若さでも65.6%が不安と答え、年齢とともに不安は上昇し30歳以上は100%になった。

 引退後のやってみたい仕事では、大きな変化が見られ、昨年17.8%だった「飲食店開業」が、8.1%まで急落した。「一般企業で会社員」が9.4%と自営業を逆転している。久々に先輩の名前を聞いたと思ったら警察に捕まって報道された、などということも珍しくなく、厳しい現実を見ていることもあるだろうか。

 大リーグは年金制度も充実しているが、日本ではやはり、入団時の契約金に手を付けずに貯蓄し、家計管理を行い、さらに年俸から1、2割を貯蓄し、資産運用に回したりして、現役時代よりも長い引退後に備える必要があるという現実が、調査からは浮き彫りとなる。



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