未払い続出、ブルジュ・ハリファ「エレベーター停止」の脅し

　ドバイにある世界最高層タワー、ブルジュ・ハリファ（高さ828メートル、160階建て）で、デベロッパーで管理会社であるエマールプロパティが、年間管理費用を支払わなければ、「エレベーターを停止」するとの「脅し」を書面でかけていることが、わかった。

　地元紙によると、ブルジュ・ハリファは12階から108階までサービスアパートメントを約900提供しているが、実は2万5000ドルの年間管理料（最低額、面積によって違う）を支払わない賃借人に対しては、ジム、プール、テニスコートなどへのアクセス権を行使できないように、専用カードに細工をしているのだという。

　管理料は、オーナーに支払う部屋の賃料とは別であり、これが「高すぎる」とたいへんな不評なのだという。「エレベーターが遅い」「サービスが悪い」などという悪評も出ていたが、それならばとエマールが対抗策に打って出たというわけ。

　ちなみに、1平方フィートあたり52.77ディルハムだという。しかし、昨年30％前後の値上げを行っており、85.35ディルハムになったという。

　コンシェルジュ、警備員、供用施設の管理維持、窓掃除などタワーの維持費用は高くつく傾向にある。それは日本も同じ、ちなみに首都圏の管理費は、不動産経済研究所の調査では次のようになっている。

　2011年で、40～59階では、340.93円（1平方メートル）となっている。景気によって変動はしているものの、割高な傾向にある。

　これは万国共通の傾向でもあり、日本国内では最近のタワーマンションは、供用部をできるだけコストの掛らないものにするなど工夫をする傾向にある。

　ちなみに、ブルジュ・ハリファは2009年に竣工予定だったが、金融危機を経たために工事が遅れて2010年1月に開業した。アルマーニのホテルも入るなど、高さと相まってバブルなタワーは、皮肉なことにバブル崩壊後の開業となった。

　オープン時に、ほとんどが空室であると報じられ世界に衝撃を与えたのだが、実は9割は売れていたのだが、賃借人がいなかったから空室ばかりという事態になったのだ。

　事情通によれば、エマールがブルジュ・ハリファ開業時に100％の契約を目指して販売したとされ、特に価格面でも融通をしたともされている。中国人、インド人たちも多く購入しているとされる。

　アラブ首長国連邦のドバイでは、2020年には万国博覧会がドバイで行われるために、さらに国家的なプロジェクトで建設予算が投下されている。海外投資家の注目を再び集めており、昨年のドバイの不動産取引高は史上最高額となったばかり。今後もさらに、管理料は上がる可能性がある。

　本当にブルジュ・ハリファのエレベーターが止まる日が来るかもしれない。