年収1000万円の普通の父親向け、娘がフィギュアを始める前の6項目

 ソチ五輪のフィギュアスケートで、日本は男子では羽生結弦選手が金メダルを獲得するなど、出場3選手全員が6位以内という素晴らしい戦果をおさめた。また、20日からは女子も始まり、浅田真央選手らの金メダル獲得が期待されている。五輪という最高の舞台で、選手たちが活躍する姿に憧れの感情を持つのは自然なことでもある。仮にフィギュアの門をたたくとして、その前に考えておいても遅くない項目を6つ用意した。

 これは、仮に、東京都内に住む夫の年収が1000万円の30歳代の家庭の長女(5歳)=小学校1年生が、スケートを始めると仮定し話を始める。母親は専業主婦という設定だ。

 6項目は、フィギュア関係者や、全国紙運動記者、経験者らの声をまとめてみたもの。

1 富裕層ママたちのカースト?

 駐車場にはBMW、アウディ、メルセデスベンツなど最低でもドイツ車ばかりが停まっている、某都内スケート場もある。どの地方にも、スケートクラブのようなものは存在するが、一部には、こうした敷居の高いスケート場も存在するのだ。送り迎えして、娘がスケートをしている間は、ママたちはお茶会。どんな会話かはともかく、カーストは形成されているが、ここのグループに無理に入る必要性はないし、影響を受けることもない。

 地域がらにもよるのだが、例えば名古屋、大阪などでは、事情は違う。自転車で「二ケツ」して送り迎えなどという庶民的な光景もあるようだ。

 また、地方では、優雅にお茶をするより、子供といっしょに戦うようだ。

 浅田真央選手の母だった故・匡子さんは熱血スケートママだったことは有名。東京とは違い、名古屋ではこれが実は当たり前なのだという。子供にとっては、常にコーチだけでなく、母親も見守ってくれているという安心感があるだろう。コーチの方針にもよるが、「素人」の母親が口を出す名古屋スタイルが、名古屋の強さの一つでもあるのか。

 リンクは自分で選ぶことができるので、始める前に見学してからでも遅くはない。雰囲気が合いそうかどうか、自分の目で確かめれば良い。

 ちなみに、子供の男女比は1:9~2:8くらいで、女子が圧倒的に多いという。男子は、狙い目の種目かもしれない。

2 金銭面

 一般にお金の掛るスポーツである。しかし、どのレベルでフィギュアをするのかで金銭事情はまったく異なってくる。シニア、ジュニア、ノービスの選手権などを目指すレベルでなければ、単なる習い事の一つでしかない。まだまだ、スポーツではないのだ。

 習い事とすれば1カ月で数万円レベルで、5万円もかからない程度。富裕層ママたちのグループに入ろうと無理をしなければ、十分に続けていくことは可能だ。

 ジュニアで選手権クラスに出場するとなると、浅田家の場合は舞、真央という2人のトップ選手を一家で抱えていたためにとても厳しかった。真央選手のGPファイナル優勝をきっかけに、スポンサーがつかなければ、一家は相当に厳しい状況だった。

 今や、日本スケート連盟のスポンサーの大部分は真央選手関連だそうで、日本スケート界に多大な貢献をしている。端的に言えば、男より女の方が金になるということだ。

 環境ハード面として現在は、大学も力を入れるようになり、関西大学、中京大学は専用スケートリンクを所有し、ハード面で恵まれている。ちなみに、荒川静香、羽生結弦の両金メダリストを輩出した早稲田大は専用リンクがない。

 一つの大会で3着必要となる衣装でも、荒川、羽生の両選手は、母親の手縫いという涙ぐましい支えによるものだった。パートをして支えながら、こうしたケアーで選手を支える力となるのは、本当に頭が下がる思いだ。

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