LVMH会長「マーク・ジェイコブスは5年で1兆円企業になる」


LVMHの株主総会
 世界最大の高級ブランドコングロマリットLVMHの定時株主総会がこのたびパリ市内で行われ、会長のベルナール・アルノー氏が、16年間ルイ・ヴィトンのデザイナーを務めたマーク・ジェイコブス氏について、「今後5年~10年で、LVMHの3分の1の規模になるだろう」との見通しを示した。

 マーク・ジェイコブス氏は1997年から16年間にわたってLVMHの中核ブランド、ルイ・ヴィトンのクリエイティブディレクターを務めてきたが昨年、退任。自身のブランド、マーク・ジェイコブスに専念し、IPOを目指す。

 その抜擢したアルノー氏だが、マーク氏について「当初は売上高は1000万ドル(約10億円)程度だった。でも、マークは米国で最も素晴らしいデザイナー。今後5~10年でLVMHの3分の1くらいの規模に成長する可能性がある」と絶賛した。


ルイ・ヴィトンでの最後のショーで あいさつするマーク・ジェイコブス氏
 次々と老舗ブランドを買収し、若手デザイナーの積極的な起用を図るアルノー氏。その中でも、最も才能豊かだったのがマーク氏でもある。

 LVMHは昨年は革製品と被服、ワイン&スピリッツが好調で、売上高は前年比4%増の291億4900万ユーロ、営業利益は同3%増の58億9400万ユーロとなった。配当金も2008年から5年間で14%増加しており、1株あたり3.10ユーロとなっている。

 マーク・ジェイコブスが売上高で3分の1の規模になるとすれば、約100億ユーロで、1兆円企業となる。

 LVMHの2014年の主な年度方針は次のとおり。

・2013年はワイン&スピリットが伸びたが、14年も新興市場への浸透を目指して資源を投入する。
・M&Aした「ロロ・ピアーナ」の再建を支援する。
・「クリスチャン・ディオール」のマネジメントのテコ入れ。
・セフォラの伸長でリアルとネットの両方の販売強化を図る。

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