消える年収1000万円職業、新聞記者、女子アナ

 新聞記者、アナウンサーは今後も上がり目のない厳しい職種になっていきそうだ。

 米求人サイトのキャリアキャスト・ドットコムが発表した「ベスト・ジョブ」「ワースト・ジョブ」ランキングで、ワースト部門では、新聞記者、アナウンサーがランクインした。一方で、最も良い職業は数学者だった。ベスト部門では、統計学者やシステムコンピュータアナリストなど軒並み数学系の職業が顔を出す。以下は、ワーストランキング。

 ◆ワースト職業ランキング10(職業、年収中央値、スコア)
・林業 2.4万ドル 739
・新聞記者 3.7万ドル 729
・軍人  2.8万ドル 689
・タクシー運転手 2.2万ドル 649
・キャスター(アナ) 5.5万ドル 646
・料理人 4.2万ドル 645
・客室乗務員 3.7万ドル 642
・ゴミ収集 2.2万ドル 641
・消防士 4.5万ドル 640
・刑務官 3.8万ドル 636

 新聞記者かアナウンサーか、もしくは肉体的にとても過酷な職業が並んだ。もちろん、これは米国の職業事情で、必ずしも日本国内の事情は反映しているものではない。ただ、年収1000万円職業の将来を見通す上では暗示となろう。

 ちなみに、公表されている代表的な業界の年収と言えば、朝日新聞の1287万円(平均年齢42.4歳)だろう。目安として、30歳になると800万円を超えて、40歳になると1000万円超えは叶う場合が多い。

 業界全体の賃金を現す、厚生労働省の平成24年度賃金構造基本統計調査によると、平均年収は695万円(37.3歳)となる。ただし、これは中小も合わせたもので、事業規模が全国紙やブロック紙など社員1000人以上になると、平均年収は804万円に上がる。

 勤務成果によって地位面での処遇は決まるものの、成果の出やすい部署とそうでない部署があったりするために、人事異動は割に行われる。通信部勤務は住み込みのために、生活経費はかなり削られるために、世の中から見れば決して負け組でもないのだ。

 しかし、2022年には人数が13%減少すると予測されている。人口自体が減少していく中で、本業での増収増益のシナリオは描けておらず、現実的には不動産事業に活路を見出している。

 一方のアナウンサー。年収レベルはそれ以上だが、問題は人気商売でしかも「定年」がある点だ。写真週刊誌FLASHによると、潜在視聴率が11%で1位のフジテレビの加藤綾子さんは、推定年収1600万円となっている。下は各局の代表的アナの潜在視聴率と年収だ。

・田中みな実(TBS)7.9% 1300万円
・水卜麻美(日テレ) 6.9% 700万円
・竹内由恵(テレ朝) 5.7% 1000万円
・紺野あさ美(テレ東) 5.2% 900万円
※敬称略

 20代という年齢を考えればひじょうに高いが、そこは「定年」が早い職業だけに、今後の身の振り方を常に考えておかなければならない。人気絶頂の20代の時に年収が1000万円台ではやはり苦しい。

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