ヘッジファンド報酬ランキング、テッパー氏が2年連続3度目

 ヘッジファンドマネージャーの2013年の報酬ランキングが、アブソリュートリターン+から発表され、1位は前年に引き続き2年連続でアパルーサ・マネジメントのデビッド・テッパー氏となった。報酬額は35億ドル(約3555億円)で、ここ5年間でこのランキングで3回の1位に輝いている。

 2013年は12年よりも好況であったヘッジファンド業界で、上位25位の報酬総額は211億ドルで過去4番目に高額であった。要因はNY、東京の株式市場が好況だっただめで、特にS&P500は年率32.4%で、それを上回るリターンをあげるのは難しかった。ロング&ショート戦略、もっと言えば、ロングが好成績をあげた年でもあった。

 そうした中で、テッパー氏は40%以上のリターンをあげ、2位以下に11億ドルの大差をつけての2連覇となった。

1 デビッド・テッパー 35億ドル アパルーサ・マネジメント

2 スティーブ・コーエン 24億ドル SACキャピタル

3 ジョン・ポールソン  23億ドル ポールソン&カンパニー

4 ジェームズ・シモンズ 22億ドル ルネサンス・テクノロジーズ

5 ケネス・グリフィン  9.5億ドル シタデル・インベストメント

6 イスラエル・イングランダー 8.5億ドル ミレニアム・マネージメント

7 レオン・クーパーマン 8.25億ドル オメガ・キャピタル

8 ローレンス・ロビンス 7.5億ドル グレンビュー・キャピタル・マネジメント

9 ダニエル・ローブ   7億ドル  サード・ポイント・キャピタル

10 レイモンド・ダリオ  6億ドル  ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ

10 ポール・チューダー・ジョーンズ 6億ドル チューダー・インベストメント
※敬称略


デビッド・テッパー氏
 テッパー氏はディストレス投資、債券トレードを得意とする運用者だが、2008年のリーマンショック以降はほとんどの年で好成績を残しており、一昨年は投資家に対してボーナスを行うなどしている。

 昨年は、低迷し再編期待から仕込んでいた航空株のアメリカン航空、デルタ航空などを中心にリターンをあげている。「アパルーサ1」「パロニモ」などのファンドは30%以上のリターンをあげる好調ぶりだった。

 業界史上もっとも成功したヘッジファンドと言われる、ピュア・アルファファンドを運用するレイモンド・ダリオ氏、サブプライム王ジョン・ポールソン氏と並んで新たな業界の盟主になったと言っても良いだろう。

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