アコーディアが旧「村上ファンド」の要求受け入れ

 旧村上ファンドグループの後釜でもあるレノは、アコーディアゴルフ(以下AG)の臨時株主総会開催の請求を出していたが、撤回したことを明らかにした。グループ全体で約35%の株式保有の立場を利して、取締役6人を解任した上で、400億円のアセットライトに加えて、200億円以上の株主還元を要求していた。結果的に、AGはレノの言い分をほぼ認めた形となった。


レノが入る雑居ビル(中央)
 アコーディアがゴルフ場90コースの土地所有権を切り離して、その会社をシンガポール証券取引所にビジネス・トラストとして上場させる。そして、AGはゴルフ場運営に専念するという、アセットをライトにする策だ。先行き人口減少していく中で、所有に掛るコストが削減できることなどを強調している。

 結果としてコース売却によって得る資金は1117億円以上になると算定。その原資を基に、買い取り価格1株=1400円、総額で450億円以上の株式公開買い付けを行うことにしている(上限額は未定)。

 これは、村上ファンドの力を奪う「焦土作戦」だと言われたが、一筋縄ではいかないようだ。新たに追加で200億円以上の株主還元策をすること、さらには取締役5人を解任して三浦氏を含む6人の新取締役を選任するという2点を提案してきたのだ。

 一昨年のPGMグループとの委任状争奪戦に絡んで、火事場泥棒的に登場した村上グループ。今年に入ってからは、レノはAGと全株をTOBに応じると合意を結んでいるのだ。

 しかし、そこからの買い増しで、約28%から約35%になって発言権を増している。だからだろうか、メディアに登場することなく沈黙を保ってきたが、ここにきて情報発信をするようになってきた。

 三浦氏は今年のAG社の定時株主総会で、8個質問を連発して驚かせた。その後の報道関係者の呼び掛けには答えていないものの、ホームページを作成し報道陣の質問に答える形で意見を表明するようになった。

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