富裕層になったもん勝ち、米所得上位400人データからわかること

 米国の所得上位者400人は、どこから収入を得ているのか。トマ・ピケティ氏の資本が賃金を上回るという公式「r>g」が広く浸透しているが、米国の所得上位400人のデータからは、配当による所得が給与所得を上回っている。


 IRS(米内国歳入庁)の統計によると、2012年までの所得上位400人のデータでは本業の給与よりも配当による収入のほうが上回っている。まず、総所得額だが、2012年は2007年との間には大きな差はない。単にリーマンショック前の水準に回復したという程度だろう。

◆上位400人の総所得
    総所得額      平均所得額   
2012年 1342億7763万ドル 3億3569万ドル  
2011年 879億3835万ドル  2億1984万ドル 
2010年 1060億5496万ドル 2億6513万ドル 
2009年 809億6691万ドル  2億241万ドル 
2008年 1082億406万ドル  2億7051万ドル
2007年 1379億341万ドル  3億4475万ドル

 給与収入と株式配当による収入とでは、伸びがまったく違う。2007年から12年まで、給与は1割未満しか伸びていないが、配当は2倍以上になっている。これは、実行税率が低いこともあり、配当金を増やすことで手元に残る資金が多くなるからだ。

◆本業の給与による収入(平均)   
2012年 3204万ドル  
2011年 1558万ドル 
2010年 1646万ドル
2009年 2232万ドル 
2008年 2837万ドル
2007年 2941万ドル

◆株式配当による収入(平均)
2012年 5426万ドル  
2011年 2383万ドル 
2010年 3416万ドル
2009年 2639万ドル 
2008年 2485万ドル
2007年 2450万ドル

◆配当所得総額
2012年 201億3988万ドル
2011年 86億1683万ドル
2010年 121億3378万ドル
2009年 94億805万ドル
2008年 81億5936万ドル
2007年 74億8460万ドル

 では、所得上位400人の実質的な所得税率だが、半数以上が20%以下となっている。
 
◆実効税率の分布
    10%以下 15%以下 20%以下
2012年  32    147    123
2011年  39    116    121
2010年  37    101    120
2009年  27    89     86
2008年  30    101    112
2007年  25    127    137

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