富裕層と運動、ライザップではに丸「太っててもいいじゃない」と詰問

 富裕層や高所得者は何らかの形で自信の身体を鍛えたり、もしくは健康に留意する人は比較的に多い。最近は体を鍛える人は多くなったが、では、何のために運動し、そしてどこで見せるのか?

 パーソナルトレーナーも付く高価格のジムとしては、トータルワークアウトやライザップが広く知られているが、5月6日放送のNHK「はに丸ジャーナル」の中で、キャラクターのはに丸がその本質的な意味を問いかけた。

 番組では、はに丸がライザップに訪問。ある飲食店社長のパーソナルトレーニングの模様を取材した。6つに割れた板チョコ状の腹筋を「シックスパック」と呼ぶのだが、社長に「シックスパックになったらどこで見せるの?」「太っててもいいじゃない」という質問を浴びせた。

 追及されると、飲食店社長は答えに窮してしまい、そこへ隣にいるインストラクター氏が「海、海」と小声でささやき、社長は苦笑いしながら「海です」と答えた。これには、はに丸から、ささやき女将と突っ込まれる次第だった。

 また、はに丸は「僕はご飯を食べて、楽しくおいしくみんなと過ごしたいな」とも付け加えた。当然、鍛えた体を見せる場所など普通に考えれば存在するはずもなく、ある意味で運動する意味を考えさせてくれる内容だったと言って良いだろう。

 そもそも富裕層は暴飲暴食をしないため、極端に太った人はまずいない。昨年の米科学アカデミー紀要で発表されたハーバード大の研究論文によると、経済的に裕福な家庭では肥満は減少しているが、貧困家庭では増加しているという研究結果が明らかになっている。さらに、

 スウェーデンのペーター・ランドブルク大学の研究では、幼いころに肥満だった人は生涯年収が相対的に低い額となったこともわかった。

 富裕層は何らかの食事制限を習慣づけていたり、あるいは運動する習慣を持っている人は多い。間食をしたりせずに、1日に5~10分程度歩く時間を増やすだけでも太ることはない。太らないという意味では、その程度でも実は十分なのだ。

 では、どの程度が運動の習慣を持っているのか。過去2010年にgooリサーチとプレジデントの共同調査(個人年収400万円台311人、1500万円台以上311人から有効回答)によると、「日常の中に決まった運動を取り入れ、習慣化している」は年収1500万円以上の人で40.5%、400万円台の人で27.3%と差が生まれている。

 また、「周囲の力を借りることで運動を続ける仕組みを持っている」との問いには、年収1500万円以上の人は4.5%に対して、400万円台の人は1.3%と3倍以上の差が生じているのだ。

 運動したり鍛えることによる実質的なメリットを見出すのは難しいのだが、精神面で良い影響を及ぼすことが多く、人前でも堂々としていることができるし、また、他人からそのように見られるという効用もある。人は見た目から逃れることはできないということか。

 もちろん「太っててもいいじゃない」という意見も正論だ。

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