離婚解決金5000億円⇒600億円に減額 離婚訴訟で妻が逆転負け

 ロシアの大富豪ドミトリー・リボロフレフ、エレナ夫妻の離婚解決金を巡る訴訟の控訴審がスイス・ジュネーブで行われ、一審の45億ドルという史上最高額の財産分与を破棄し、裁判所は6億ドルを支払うよう言い渡した。現地メディアが伝えている。夫側が自己資産を信託財産に移転したことが認められた格好。前夫人にとってはとんだぬか喜びに終わったが、上級審での争いまで言及しており、最終決着に早くも注目が集まる。
 


長女とサッカー観戦するドミトリー・リボロフレフ氏
 リボロフレフ氏は総資産85億ドルで、ロシア最大の化学肥料メーカーのウラルカリの筆頭株主となり、後に株式を売却し資産を築いた。2人は1987年に結婚し2人の娘をもうけたが、リボロフレフ氏に不倫が相次いだため、2009年に61億ドルの損害賠償を求めて訴えを起こされていた。

 昨年5月、ジュネーブ連邦地裁は、エレナ夫人への支払い額として45億ドルという史上最高額の財産分与金を認めた。これまでの夫の不倫をスパイを使うなどして証拠を集めてきたが、請求のかなりを認められた。

 しかし、今回の控訴審では、約8分の1にまで減額されている。では、この差は何なのか。
それは、リボロフレフ氏側と、エレナ前夫人側とでは、資産の算出時点が異なっているからだろう。

 肥料メーカーのウラルカリの株式売却に際して、リボロフレフ氏は株式を2005年に子供名義の信託財産に移転し、2008年には株式を売却している。どの時点で計算するべきかという時点でひじょうに大事になるが、控訴審では、外国の信託に移したことが認められたようだ。そのために、エレナ前夫人の取り分は大幅な減額となったようだ。もっと早く訴訟を起こしていたら、結果は違ったものになっていたかもしれない。

 離婚の財産分与の歳には、主な資産をいつの時点で評価するのか、一般的には次のようになる。

・株式などの時価評価 = 別居時点の時価で算出されることが多い
・保有現金 = 別居時点の保有額
・不動産 = 売却時の価格

 ただし、信託や会社などに移転させていた場合は、夫とは別人格と捉えられることもあるが、今回はまさにそのケースとなった。リボロフレフ氏の総資産額は、フォーブスでは85億ドルとなっており、世界では上位200人に入る大富豪。高級不動産、絵画、ASモナコなど高額資産を次々と購入しては、信託基金に移転させるという荒業を使い、夫人への資産流出を防いできたが、その策が功を奏したようだ。

 しかし、エレナ前夫人の代理人は上告をほのめかしており、上級審での逆転を目指す。

 ◆これまでの離婚解決金ランキング
1 ドミトリー・リボロフレフ&エレナ  45億ドル
2 ルパート・マードック&アンナ    17億ドル
3 バーニー・エクレストン&スラビカ  12億ドル
4 ハロルド・ハム&アーナル      11.9億ドル
5 アドナン・カショギ&ソラヤ     8.7億ドル
6 スティーブ・ウィン&エレーン    7.4億ドル
7 クレイグ・マッコー&ウエンディ   4.6億ドル
8 メル・ギブソン&ロビン       4.2億ドル
9 ロバート・ジョンソン&シェイラ   4.0億ドル
10 アーノルド・シュワルツエネッガー&マリア 3.7億ドル
※敬称略
※1位候補 ウラジミール・ボタニン&ナターリヤ 70億ドル
※7位候補 ドミトリー・リボロフレフ&エレナ  6億ドル

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる