中国株安とシャドーバンキングで消える中国人富裕層の金

 8日の中国・上海株式市場は大幅続落し、上海総合指数は前日比219.93ポイント安(5.90%)の3507.19で取引を終えた。一時は8%以上も下げ、1300銘柄以上の取引がストップし、中国政府も株価対策を打ち出しているものの効果もなく、下げ止まる気配はない。実は中国人富裕層も投資を株式や投資信託にシフトするようになっており、かなりの影響を受けると見られる。


 米経済誌フォーブスの中国版の調査レポートによると、2014年末までの投資可能資産が、60万元~600万人民元(1176万円~1億1766万円)のマス富裕層が1387万人で、今年15年末には1528万人になると予想している。中国のマス富裕層の資産は2013年からの1年間で12.8%増加し、日本年にして約2200兆円の総資産になっており、これも株式市場の影響が顕著に表れているものだ。

 しかし、この市場の急落によって予想の人口見通しも減少しそうだ。というのも、不動産から、株式、投信、銀行理財商品に投資ウェートがシフトしているからだ。この調査は投資可能資産が60万元~600万人民元の人から1149人から有効回答を得ているが、投資からの収益が家計を支えている面があることがわかる。

 まず、2階層に分けた収入の割合では次のようになる(複数回答)。

◆60万元~300万元
給与所得60.8%
配当金25.3%
投資32.9%
不動産投資13.2%

◆300万元~600万元
給与所得50.6%
配当金41.5%
投資26.1%
不動産投資18.6%


 300万元~600万元の富裕層レベルは株式などの配当金の割合が高くなる傾向があるが、さすがに株式市場の影響を受けないわけにはいかないだろう。

 また、その投資では銀行理財商品、つまりシャドーバンキングでの理財商品も込みである。これらは日本円で数百兆円規模に上るとされ焦げ付きの懸念もあったが、当局の厳しい規制、さらには政府による何らかの対策があったともされる。

 その銀行理財商品が実は最も富裕層に人気がある投資商品だということが表からわかる。
2位株式、3位投信、4位不動産などよりも人気が高い。株式、シャドーバンキングの両方が飛べば、マス富裕層の資産は大幅減となる可能性もある。当然、株価が下がれば大富豪も保有株の時価総額が減少するので資産が減るのは言うまでもない。


 また、手付金を捨てることなどいとわない逃げ足の早さなので、日本国内の不動産への影響も出てくるのかどうか、今後はわからない。

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