不動産価格と学歴の相関 駅別大卒比率ランキング1位は?

 学歴が多い人が多く住む駅は不動産価値が高いのかどうか。こんな調査結果を不動産情報サイトのすまいサーフィンがまとめ、駅別学歴データ東京都150駅として駅別の大卒比率ランキングを公開している。結果は、1位は浜田山(杉並区)、2位田園調布(大田区)、3位多摩川(大田区)となった。

 同サイトがまとめたところによると、人口が3000人以上の336駅の大卒比率と新築相場価格の相関係数は0.73となり、二つの要素に高い相関関係があった。この二つの要素を同時に支えるのは、やはり所得や資産という金銭面だということになる。上位5駅は次のようになる。

◆駅別学歴データ上位5駅
1 浜田山
2 田園調布
3 多摩川
4 半蔵門
5 西永福


写真はイメージ
 浜田山、西永福と上位5駅中2駅が杉並区で占められた。2位田園調布は言わずと知れた高級住宅街で、東急東横線などの隣駅にあたる多摩川駅が4位となり、麹町小学校の校区にあたる半蔵門が4位に入った。特徴的なのが、京王井の頭線から2駅、東急東横線などから2駅出ている点も興味深い。

 ちなみに、東京都が行った学校基本調査報告によると、大学進学率(国公立・私立)では、杉並区73.9%、大田区49.6%、千代田区76.3%となる。東京都の平均は65.2%。ただし、この調査の特徴は各区にある高校単位で行われているという点で、決して住民単位ではないということ。

 そのためにより正確性を期するために、総務省国勢調査から住民単位で見てみると、杉並区50.3%、千代田区49.5%、大田区37.8%となる。学校基本調査よりも国勢調査で見た方が、杉並区が千代田区よりも上に来る。

 杉並区は元々、区立和田中学が教室を使って夜間に大手塾の授業を行うという補習を取り入れたことで、全国的な波紋を呼んだこともあったように、教育熱がひじょうに高いことで知られる。塾通いに熱心な富裕層の家庭の子供たちとの差が開くという意味もあり、導入されたが後に全国的な動きにつながっていった。杉並は、学習塾業界でも新規オープンにあたっては、必ず検討される場所がらでもある。

 2007年に野村総研が発表した全国約18万の町丁目ごとの所得額、金融資産を推計した調査結果によると、年収では京王井の頭線が1位で709万円、2位東急東横線700万円となっている。金融資産でも1位は京王井の頭線で3321万円となった。

 ゆかしメディアが過去に行った東京23区の年収1000万円世帯比率と平均年収によれば、千代田区は平均年収788万円、杉並区607万円、大田区579万円となる。ただ、いずれにせよ世帯年収1000万円以上の世帯はこの3区とも10%以上の比率を占めている。

 地価公示価格の平均による平方メートル単価は次のとおり。データは土地代データを使用した。

浜田山 50万6500円
田園調布 65万3285円
多摩川 61万4000円
半蔵門 236万5000円
西永福 50万6000円

 やはり、麹町1丁目に立地する半蔵門駅が236万円とケタが一つ違っている。浜田山-西永福、田園調布-多摩川は同沿線ということで似たような価格となった。所得(資産)-学歴-不動産価格はどうしてもつながってしまう。

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