賞金2億円突破イ・ボミ選手の強さ ついでに「整形」についても

 女子ゴルフのイ・ボミ選手(27)が、15日の伊藤園レディースに優勝し今季6勝目で国内女子ツアー初の年間賞金2億円を突破し、賞金女王を決めた。今や、ずば抜けた強さと麗しいルックスで日本のゴルフ界の人気を独占する存在。日本だけでなく世界中で、韓国系選手が稼ぎまくっているが、改めてなぜここまで強いのか。

 上位10人中6人。これは、11月現在の女子世界ゴルフランキングの上位10を見てみると、トップのリディア・コー選手を含め韓国人選手(もしくは韓国系)が6人を占めているということだ。また、上位100でも、50人以上が占める。他の国が本当にゴルフをやっているのかどうかさえ、疑わしく思えてくるほどの寡占状態である。

 ちなみに2000年以降の日本女子ツアーの賞金女王と、獲得賞金は次のとおりとなる。

2014 アン・ソンジュ 1億5307万円
2013 森田理香子   1億2667万円
2012 全美貞     1億3238万円
2011 アン・ソンジュ 1億2792万円
2010 アン・ソンジュ 1億4507万円
2009 横峯さくら   1億7501万円
2008 古閑美保    1億2085万円
2007 上田桃子    1億6611万円
2006 大山志保    1億6629万円
2005 不動裕理    1億2246万円
2004 不動裕理    1億4277万円
2003 不動裕理    1億4932万円
2002 不動裕理      9569万円
2001 不動裕理      8924万円
2000 不動裕理    1億2044万円
※敬称略

 2010年以降は明らかに様相が変わってしまっている。


イ・ボミ選手
 もうご存知の方も多く詳細な説明は必要ないだろうが、1998年に全米女子オープンでパク・セリ選手が優勝。これによって、韓国ではゴルフブームが巻き起こり、子供たちのスパルタ教育が始まった。一般的に、イ・ボミ選手らは「パクセリキッズ」と言われる。

 その韓国人選手の強さを、スポーツ紙で長年ゴルフを担当したベテラン記者は「韓国の選手は、男女ともスイングが常に一定で乱れない。徹底した体力トレーニングに裏打ちされた、スイングの基本を身につけている。それと同時に、ゴルフと同じくらい日本語の練習もしていて、イ・ボミもそうだが、ほぼ例外なく日本語がうまい。紳士のスポーツとは言っても、どこで覚えたかわかるような汚い日本語を使う外国人選手も昔はいたが、韓国の選手は本当にきれいな日本語を使う」という。イ・ボミ選手も例外ではなく、日本語がうまく、日本語を学ぶのは当然だと考えているという。

 韓国人選手の強さは主に2点あり、一つ目は体力・技術・精神力。二つ目は環境適応への学習能力と言ったところか。

 まずはナショナルチームに入るために、その下部組織に入ろうと必死で英才教育が施される。晴れてナショナルチームに入れば、ゴルフ漬けという環境で過ごすことができる。だが、入ったからといって落ち着いてできるわけではない。そこでも選抜があり、パフォーマンス次第で定期的に入れ替えが行われるという、日々がサバイバルな状況だ。決して裕福ではない家庭の出身の子は、家族の恩に答えなければならない。子供ながらに文字通り、必死の日々が続くのである。

 もちろん、ナショナルチームに入れなくても、その悔しさをバネに活躍する場合もある。ちなみに、イ・ボミ選手がその例で、ゴルフを始めたのが12歳で、それまではテコンドーの選手。ナショナルチームには入れなかった。

 日本でも、有名ゴルフ教室に入るためのレッスン代、さらには、ツアー費用などお金が必要なのは事実で、お金は大丈夫なのかコーチに確認されることもあるという。ただ、前出記者は「ボンボンがトップに立てるほどゴルフは甘くない」と言い、富裕層には耳が痛い。プロになって家族を自分が食べさせるというくらいの気持ちが最初からあるかないかという点は必要だということか。

 あとは、韓国ツアーの現状も見ておかなくてはならない。現状では日本の4分の1、5分の1程度の規模になっているといい、海外ツアーでしか活躍の場がないということも言える。それだけに限らず、日本で3度の賞金女王に輝いている韓国人のアン・ソンジュ選手は「(韓国の)いくつかのスポンサーは整形を勧めてきた。日本のゴルフ界でも外見は気にされるけど、韓国ほどではない」と、韓国メディアの取材に語ったことがある。

 トッププロの発言だけに、信憑性がないとは言い切れない。かなり刺激的な内容だが、「整形をしている選手もいる」とした上で、「自分は美人ではないし、細くもないし、セクシーでもない。でも、(日本では)ゴルフをするなとは言われない」と冷静に自己分析しつつも、日本ツアーの心地よさにも触れている。

 厳しい環境で育ってきた猛者たちが、ウェルカムな日本ツアーの環境はひじょうに戦いやすいということがわかる。

 そのイ・ボミ選手だが、今季の賞金獲得額は2億781万7057円、まだツアーは続いており、さらなる記録更新が期待できる。

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