本マグロ最高値3倍の1400万円に(築地市場初競り)

 東京都・築地の都中央卸売市場で5日、初競りが行われ、大間産本マグロの1匹あたりの最高値が1400万円となった。前年最高値451万円(180キロ)の約3倍で、落札者は5年連続で「つきじ喜代村」となった。築地市場での初競りは今回が最後となる。


落札した喜代村の木村清氏(昨年の初競り)
 築地の本マグロの初競りは、2013年の初競りが史上最高額の1億5540万円(222キロ)を付け、すしチェーン「つきじ喜代村」が落札した(下図参照)。これは板前寿司&銀座久兵衛との意地のぶつかりあいで競り合ったことが多分に影響している。板前寿司連合はこれで戦いからは降りたために、翌2014年からは、喜代村の独壇場となっており、落札価格は急激に下がっている。

2007年 413万円(206キロ)   大間産 つきじ喜代村
2008年 607万円(276キロ)   大間産 板前寿司
2009年 963万円(128キロ)   大間産 板前寿司&銀座久兵衛
2010年 1628万円(232キロ)   大間産    同
2011年 3420万円(342キロ)   大間産    同
2012年 5649万円(269キロ)   大間産 つきじ喜代村
2013年 1億5540万円(222キロ) 大間産     同
2014年 736万円(230キロ)   大間産   同
2015年 451万円(180キロ)   大間産  同
2016年 1400万円(200キロ)   大間産  同

 元々、漁師が命がけで漁をしてもシーズンで獲れる数は多くないため、それだけでも希少価値は高かった。昨年2015年は451万円と2007年の水準にまで戻ったが、今年3倍になった背景には「レッドリスト」入りということもあり、希少価値はさらに上がる傾向にある。国際自然保護連合(IUCN)が、太平洋クロマグロを、絶滅を危惧する野生生物を指定する「レッドリスト」で、「軽度の懸念」から「絶滅危惧」に引き上げている。

 漁師のフトコロには価格から漁協や仲買いなどの中間マージンをのぞいた約9割、1260万円程度が入る計算となる。大間の漁師たちのマグロドリームはもう終わったかに見えたが、今後は底堅く落札価格は推移しそうで、それなりの実入りになりそうだ。

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