40億円超えなるか 世界最大の収集家のフェラーリが競売に

 世界最大のフェラーリコレクター一族保有の「フェラーリ335Sスパイダー」(1957)が、ヴィンテージオークションで史上最高額に迫る可能性があることが、オークションハウスのアートキュリアルの発表でわかった。仏パリで2月5日開催のオークションで、予想レンジを3000万ドル(約35億2200万円)~3400万ドル(約40億円)と設定した。これまでの最高額は2014年に取引された、フェラーリ250GTO(1962)の3811万ドル(約44億円)だが、超えることができるか。


フェラーリ335Sスパイダー
 フェラーリ335Sスパイダーはレーシングカーとして1957年に作られ、同年のセブリング12時間や、ルア・マン24時間などにも出場している。後のF1ワールドチャンピオンのマイク・ホーソン氏が同車でレース出場している。1958年には米NYのディーラーの手に渡り、その後はコレクター間で取引され、現在所有しているのは 世界最大のヴィンテージフェラーリ収集家であるピエール・バルディノン氏(享年81)の一族となっている。

 バルディノン氏はフランス高級ブランドのシャパル一族の当主で、広大な敷地内にフェラーリ博物館、フォーミュラレースが開催できるくらいとも言われるサーキットを所有する。同氏は1965年から「フェラーリ250GT SWB」を購入したのをスタートに、その後も次々と収集し、保有するヴィンテージフェラーリは数十台とも言われる。昨年12月に2805万ドルで落札された「フェラーリ290MM」も保有していた。

 50年代、60年代のヴィンテージフェラーリは軒並み価格が2009年以降は上昇しており、特に2012年ごろからは名車がオークションに出れば、10億円超えが続いているような状況だ。昨年もフェラーリ290MM(1956)が2805万ドルで落札されるなどしており、その流れは変わっていない。

 ヴィンテージカー専門の保険会社ハガーティが算出した、ヴィンテージカーの市場の過熱度を測る指標「Hagerty Market Rating」によると、まだ過熱度はバブルはなく、市場にはまだ上昇余地があるとも見られる。落札額はいくらになるのか。

◆過去のヴィンテージカーオークションの高額落札車
1 フェラーリ250GTO(1962)                3811万ドル 14年
2 メルセデスベンツW196(1954)               2960万ドル 13年
3 フェラーリ290MM(1956)                 2805万ドル 15年
4 フェラーリ275GTB/4*S NARTスパイダー       2750万ドル 13年
5 フェラーリ275GTB/Cスペチアーレ(1964)        2640万ドル 14年
6 フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダー     1850万ドル 15年
7 フェラーリ375プラススパイダー(1954)           1840万ドル 14年
8 フェラーリ250LM(1964)                 1760万ドル 15年
9 フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダー(1961) 1683万ドル 15年
10 フェラーリ250GT SWBベルリネッタスペチアーレ(1962) 1650万ドル 15年

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