世界の高級ブランド品の半分を中国人が購入

 昨年2015年の世界の高級ブランド品市場で、その約半分にあたる46%を中国人旅行者が購入していたことが、ある調査結果によって判明した。金額にして約1830億ドル(約20兆7300億円)規模に上るという。


 高級品市場コンサルタントのフォーチュンキャラクターの調査結果を報じた人民網によると、中国人は2015年の1年間で1830億ドルを消費しており、2014年の約1650億ドル(約18兆7000億円)をさらに上回っているという。

 ここには、高級品を購入したいが、国内では買いにくいという背景が存在する。中国政府による汚職の取り締まり強化によって、高級ブランド品消費も影響を受けている。ベイン&カンパニーの調査では、中国の国内高級品市場は11%の減少、その一方で海外高級品市場は10%の増加となった。本土や香港で買えないならばということで海外で購入するだけなのだが、WTOによると、15年の中国人の海外旅行者数は1億2000万人に上るまでになっている。

 ちなみに、以下は中国人富裕層の好きなブランドなどだ。贈り物に家電製品が男女ともに入っているのは意外ではあるが、時計、ジュエリーは定番である。

◆中国人富裕層が好きなブランド上位5
1 アップル
2 ルイヴィトン
3 グッチ
4 カルティエ
5 クリスチャンディオール

◆中国人富裕層女性が男性に贈る上位5
1 時計
2 家電
3 赤ワイン
4 白酒
5 タバコ

◆中国人富裕層男性が女性に贈る上位5
1 ジュエリー
2 コスメ
3 アクセサリー
4 衣料品
5 家電

◆中国人富裕層が好む旅行先
1 フランス
2 米国
3 モルディブ
4 日本
5 オーストラリア
※いずれもハルンレポートより

 また、他に判明している傾向としては、おおまかに35歳まではコスメ、ハンドバッグやデジタル家電が中心で、35歳以上がそれらに加えて医薬品や医療サービスも人気なのだという。

 ルイヴィトンなど高級ブランドを擁するグループ、LVMHの2015年の決算で、売上高が約357億ユーロ、経常利益約66億ユーロとともに過去最高を記録した。これも中国人富裕層たちの影響が大きいと見られ、、同社は中国本土や香港ではなく、日本や欧州に流れていると分析していた。日本は全売り上げの約7%を占める。日本以外のアジアでは、2013年には30%を占めたが、2015年には3ポイント減の27%にその割合が低下した。政治的に締め付けがある中国本土や香港ではなくとも、世界中の買いやすい場所を探して買うという購買意欲の強さを表しており、世界に行き来できる以上は、国内での締め付けも、あまり意味はないように見えてくる。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる