「機関投資家に勝とうとするな」世界一のヘッジファンド運用者が個人投資家に助言

 世界中の中央銀行や首脳がその見識に耳を傾けると有名なヘッジファンド運用業界の盟主であるブリッジウォーター・アソシエイツの設立者レイモンド・ダリオ氏がこのたび、ブルームバーグTVで、個人投資家にとって耳が痛いアドバイスを行った。それは「プロを向こうに回して勝とうとしないこと」だ。

 「わたしのような機関投資家と同じテーブルで戦ってはならない。市場で勝つのは簡単ではない。わたしでも自分の考えが間違っているのではないかと恐れることがある。相場で勝つのは、オリンピックで勝つよりも難しいことなのだ」


レイモンド・ダリオ氏
 こう述べたダリオ氏のヘッジファンド運用会社ブリッジウォーター・アソシエイツは、運用総資産額、通算リターン、個人の年収をはじめ業界ではあらゆるナンバー1を獲得している業界の盟主でもある。

 LCHインベストメンツが発表した通算リターンランキングでは、ブリッジウォーターの旗艦ファンド「ピュアα」が1位となっている。そのパフォーマンスだが、運用開始年の1975年から2015年末までの40年間で実に、450億ドル(約5兆円)の通算運用益を出している。スタート時の資金が33億ドルで、現在は約14倍にしていることになる。現在では運用総資産額は日本円にして10兆円を超えている。

 オルタナティブ投資運用協会(AIMA)によると、最近10年間でヘッジファンドが生みだした運用益は総額で約1兆5000億ドル(約164兆円)にも上るという(手数料、運用報酬を差し引いた額)。

 個人投資家は、自分で運用した場合、その8割が損をすると言われている。であれば、頭脳のオリンピックチャンピオンともいえるヘッジファンドに資産運用を任すという選択肢もあるかもしれない。最近は、「ヘッジファンドダイレクト」のようなサービスを活用し、世界ランキング上位の優秀なヘッジファンドに資産運用を任せる個人投資家が増えている。

◆「投資で勝つ人、負ける人」 

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