ナイキ会長が全資産2兆8000億円を寄付

 スポーツ用品大手ナイキの共同創業者フィル・ナイト氏(78)が、保有資産のほぼすべてにあたる250億ドル(約2.8兆円)を慈善活動に使うことを明らかにした。現地24日の米CBSのインタビューで語ったもの。普通の陸上選手からシューズ開発の世界に身を投じ、類を見ない成功を収めたシューズ大富豪は、慈善事業という形で資産をこの世に残すことになった。

 「息子を亡くした時には、すでに、こうしようと決めていたよ」

 250億ドルの資産の使い道について聞かれたナイト氏はこう述べた。10年前に30代だった息子はダイビング中の事故で他界した。このインタビューでは、どの分野に振り分けるかまでは言及していないが、これまで、オレゴン大学のがんの研究センター、スタンフォード大へ4億ドルの奨学金基金の設立をするなど、健康、スポーツや教育関連の分野への関心がうかがえ、そちらに振り分けられると見られる。

 陸上競技の選手だったナイト氏。オレゴン大学時代のコーチ、ビル・バウワーマン氏がシューズ開発も行うマルチな才能を持っていたことがきっかけで、シューズ開発に興味を持つようになった。スタンフォード大経営大学院でMBAを取得し、コーチとともにブルーリボンスポーツ社を設立した(後のナイキ)。

 同社は勝利の女神ニケをモチーフにしたブランドロゴでも知られ、後発メーカーながら、アスリートに使ってもらうことで知名度を高めていく戦略を取って市場に名前を浸透させていった。NBAのマイケル・ジョーダン選手に提供した「エア・ジョーダン」シリーズが爆発的なヒットをするなど、バスケットボールだけでなく、現在は様々な種目の選手にシューズのみならず、スポーツ用品が使われるようになっている。

 ナイト氏は、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットの両氏が提唱している、全資産の半分を寄付するギビング・プレッジなどには賛同していない。最近は全額寄付を表明する大富豪も多くなってきており、そちらの方が主流になりそうだ。

◆資産のほぼ全額寄付を宣言した主な大富豪  

 ◎アル・ワリード王子 320億ドル 自身のキングダムHDを通して慈善事業に使う

 ◎マーク・ザッカーバーグ氏 自身の株式99%(450億ドル) 有限責任会社を通じて寄付(節税意図を否定)

 ◎テイム・クック氏 7.8億ドル 慈善団体に寄付(詳細不明)

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