日本破綻論者のカイル・バス氏、スタグフレーションを予言

「日本破綻論」などを掲げてきた有名なヘッジファンドマネジャーのカイル・バス氏が、現在はインフレだが経済成長は緩やかな、投資家にとって難しい局面を迎えていると言ったと、CNBCが報じた。
 バス氏はサブプライム問題を予言して大きな収益をあげるなどし、破綻や暴落に関して鋭い目を持ち、日本が破綻することを長年予言しているほか、中国に関しても厳しい見方をしている。

 その彼によると、今の状況はスタグフレーションを呼び起こすとしており、1970年代のように、景気後退で失業率が上昇するにもかかわらず、物価も上昇する事態になるという。

 スタグフレーションとは、景気が後退していく中でもインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいう。物価上昇は原材料や素材関連の価格上昇などによって起こる。景気後退で賃金が上がらない、失業率増加にもかかわらず物価が上昇し、資産価値が減っていく事態だ。

「今は賃金が上昇し、不動産の賃貸も盛んだ。2017年はインフレが進むが経済成長は停滞するだろう」
 バス氏はCNBCのインタビューで答えた。
「私の見立てでは、スタグフレーションを促進する環境へと進んでいっている」

 バス氏から投資家へのアドバイスは以下だ。
「長期債券からは距離を置くこと。インフレはよく利回りを良くするが価値そのものを下げるので家にとっては資本損失を起こしやすい」

 現在、アメリカの経済成長は停滞しており、今年前半のGDPは1.1%の成長となった。今後回復基調にあるが、2~3%程度ではないかと考えられている。

 バス氏は、株式は今ほとんど持っていないという。株式市場への投資を今は勧めていない。一方で、彼はこうも付け加えた。
「現在の状況が、巨大な金融危機のきっかけになるとは考えないほうがいい。私が言いたいのは、ここ数年はプラスのリターンを出し続けていくのは大変だろうということだけだ」

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