元シタデルのマネジャーが資産家の復活に関与

「もっとも成功したヘッジファンドマネジャーの1人」といわれるスティーブ・コーエン氏の資金を運用するポイント72アセット・マネジメントは、アルゴリズムトレーディングの責任者に、ヘッジファンドのシタデルでアルゴリズム執行を統括していたジェレル・ワッツ氏を採用したと、ブルームバーグが報じた。
事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、ポイント72とシタデルの担当者は、この件に関してコメントを控えている。

ワッツ氏はカリフォルニア工科大学でコンピューターサイエンスを学び、投資銀行やヘッジファンドなどで19年のキャリアを持つ。シタデルに8年勤務し2016年に退職。その前はメリルリンチやリーマン・ブラザーズなどでのキャリアもある。

フォーブスが発表したコーエン氏の資産総額は130億ドル、世界の長者番付で92位、ヘッジファンドマネジャーでは4位に入っている。
 2013年にインサイダー取引に関与したとして、彼の設立したヘッジファンド、SACアドバイザーズは罰金と2年間の投資の禁止を命じる判決が下された。

 その際、コーエン氏自身はいかなる罪にも問われていないが、外部顧客の資金を運用することは2018年まで禁止され、現在は、自身の資産をファミリーオフィスで運用するのみの形をとっている。

 表舞台からは退場したが、コーエン氏の投資に対する姿勢を評価する投資家は今もたくさんいる。

コーエン氏は現在、自身のファミリーオフィス、ポイント72アセット・マネジメントが運用している資産110億ドルに加えて、さらに100億ドル近くを外部投資家から集め、来年にヘッジファンドを再開する計画を立てているとされる。
その総額は200億ドル(約2兆2200億円)前後となり、ヘッジファンドの運用開始額としては過去最大規模だ。

ポイント72はワッツ氏のほかにも元JPモルガンの人材を雇用するなど、復活に向け力を入れている。

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