中国富豪が大挙して韓国リゾート地の別荘購入

 中国の不動産投資家たちが5月上旬に、上海から韓国の済州島にビジネスジェットで訪れ、大量の別荘を購入したことが明らかになった。済州島を訪問したのは約150人の中国の不動産投資家で、3日間のツアー中、約2700万ドル(約25億円)の別荘計58軒を購入したという。

 韓国の済州島は「韓国のハワイ」とも呼ばれる人気リゾート地。上海からビジネスジェットで約50分の距離にあり、また1平方メートルあたり約2万元という低価格で、中国の富裕層にとっては魅力的な別荘地だ。

 投資家が済州島に目をつける理由は、もちろんそれだけではない。韓国には、外国人が済州島の不動産を50万ドル以上購入し、5年間居住すれば、韓国の永住権を手に入れることができるという法律がある。この永住権目的で、済州島の別荘を購入する富裕層が増加しているという。また中国では上海や北京などの都市で不動産価格が高騰しており、不動産投資と不動産価格上昇の抑制策として、新不動産税導入が検討されている。それが、投資家たちの目を海外へ向けさせることに繋がった。

 しかし一部には、済州島の不動産は投資価値がそれほど高くないと評する専門家もいる。英語教育レベルはオーストラリアやカナダなど他の英語圏よりも低く、済州島は人口が60万人未満のため、高度な医療設備が整っていない。またフライト予約、観光バス、レストラン、中国語標識など、観光のためのインフラもシンガポールやタイなどの国より劣り、中国の富裕層が住むには十分ではないという。

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