ハーバードMBA取得者は20年でいくら稼ぐ?

 ブルームバーグが24日に発表した調査によると、米国の経営学修士(MBA)課程を卒業した学生は、出身校により就職後の給料に大きな格差があることが明らかになった。最も給料が高いハーバード大学のビジネス・スクール出身者と、下位ランクのビジネス・スクール出身者では、2倍以上の差がついていた。

 同社は米国トップのビジネス・スクール45校、MBA取得者2万3000人の卒業後の賃金データを調査。その結果、トップ45校の卒業生は、卒業後20年間で基本賃金とボーナスを合わせて平均250万ドル(約2億2000万円)を稼いでいたことがわかった。また、20年後の賃金は初任給から平均75%アップしていた。

 しかし、ハーバード・ビジネス・スクールとそれ以外のビジネススクールでは、給料に大差がついていたことも明らかになった。ハーバードでMBAを取得した学生のほとんどは、卒業後20年間で約400万ドル(約3億6000万円)を稼いでいた。

 一方、アイオワ大学のビジネス・スクール卒業生は200万ドル未満だった。またイェール大学など名門だが設立が後発のビジネス・スクール卒業生は、初任給は高いものの昇給速度が遅かった。初任給からの昇給率は、イェール大学、マサチューセッツ工科大学、ダートマス大学の卒業生は20年で46%、ミシガン大学の卒業生は32%に止まっていた。

 2010年の米企業の新入社員給料は、景気失速のために昨年と比べて抑えられる傾向にある。それはビジネス・スクール出身の学生も同じで、今年は昨年より初任給額が約3%下がったという。20年前は企業の新人募集も一部の一流大学に限られていたが、現在は多数の大学でMBAが取得でき、MBA取得者数増加に伴い、企業側の待遇もそれほど期待できなくなっている。米トップ大学でMBAを取得した学生たちも、就職後のキャリア形成を昔のようには楽観視できないようだ。

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