日本人が意外に気になるハンガリーフォリント

 政府当局の公式発言によって、国債が下落し、通貨フォリントと株式も売られたハンガリー。FX個人投資家にとっては、かつてハンガリーフォリントは、「金のなる木」ならぬ、「金のなる金」だった。
 
 ハンガリーフォリントはFX、外貨の投資家には、知る人ぞ知る通貨。今はだいぶ下火になったが、FX投資には「スワップ派」というものが存在した。日本円の金利が低いために、海外の高金利通貨を買えば、日割りで金利が溜まっていくという手法だ。

 フォリントの現在の政策金利は5.25%。かつては10%以上は当たり前だった。

 90年代の後半には政策金利は20%を超えていたこともあった。それから徐々に下がってはいったが、円キャリートレード全盛時でも、2003、04年には政策金利は10%を超えており、ポートフォリオに組み入れるスワップ派も多くいた。

 だが、同じく10%を超える金利で人気となっていたアイスランドクローナはサブプライムショックで一時的に取引ができなくなるなど、スワップ派はなかなか見かけなくなった。

 ハンガリー経済は、ドイツやロシアへの輸出が多く、それらの国が景気が良くなったために堅調ではあったが、財政赤字と経常赤字を抱えており、ファンダメンタル上では、ハイリターンでもハイリスクではあった。

 ただ、ギリシアほどではないという見方も多く、また政府も財政赤字目標の順守を約束した。日本からは遠く離れたハンガリーだが、この国の経済に注目する日本人は意外といるのかもしれない。

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