本田以上に岡田武史監督は実は「(運を)持ってる」

 サッカーW杯で、予選リーグ初戦で日本代表が強豪カメルーンを1-0で撃破した。日本にとっては自国開催以外のW杯で初勝利となったが、岡田武史監督自身にとっても初勝利。ゴールを決めた本田圭佑選手が自身を「(運を)持ってる」と称したが、実は岡田監督も相当「持ってる」ようだ。

 今があるのは少なくとも3回、引きたてられたことが大きい。

 最初は学生時代。大阪屈指の進学校・天王寺高校に通い、2年生秋からサッカー部の主将。当時の同僚によると、岡田監督はユースにも選ばれたが、大学に進学してまで続けようと思っていなかったという。だが、サッカー協会は岡田監督に早稲田大のサッカー部に入るように指示し、渋々従ったという。

 「大学行ってまでサッカーか」と落ち込んで大きな溜息をついていたそうだ。

 2回目は、日本代表の加茂周監督時代にコーチを打診された。だが、これも断ったものの、周囲からの度重なる説得に応じて代表「入閣」。加茂監督が辞任したことで、白羽の矢が立った。だが、W杯フランス大会では、いいところなく3連敗。二度と代表監督はないと思っていたようだ。

 だが、代表との縁は切れない運命にあった。3回目は、オシム監督が病に倒れて指揮が取れなくなったこと。W杯予選を目前に控えた時間がない段階で、すぐに組織に溶け込めるのは日本人。岡田監督に打診された。

 通常、W杯で3連敗した監督が二度と呼ばれることはないが、やはりそこは「持ってる」のだろうか。ついには自国以外の開催で日本を初勝利に導くまでになった。

 岡田監督の座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。W杯4連敗の監督はいない。そんな不名誉な歴史に名前を刻む寸前で、ついに運は上向きに変わったのか。

 続く19日のオランダ戦、24日のデンマーク戦で、決勝トーナメント進出をかけて戦う。


岡田武史監督

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