美女たちによる大富豪争奪戦の怖い内実

 今、中国では大富豪の“お見合い番組”が人気だが、テレビに顔を出したくない大富豪たちもただ手をこまねいているわけではない。

 先日広東省広州市で「花嫁選抜コンテスト」が行なわれた。18人の大富豪が妻を募集するためのもの。男性の総資産は5000万元(約6億6000万円)以上で、みな18万元(約240万円)参加費を支払っている。一方、今回、広州地区の第一次審査には約1000人の独身女性が応募したが、大多数が「あげまん相」ではないという理由で落選したという。

 花嫁を募集する18人の富豪の平均年齢は38歳。様々な世界で成功したセレブたちで、大部分が個人資産1億元(約13億円)を超える。資産を証明するための証明書類の提出が必要だ。

 広州のある不動産王は44歳のバツイチ。求めるのは「年齢25歳から26歳、身長165センチ以上で、ウエストにくびれのある女性」だという。また深センのある富豪は「専業主婦を探している。恋人になったらすぐにポルシェをプレゼントしたい」と話していた。

 物質的に豊かな生活はそこまで女性を引き付けるものなのだろうか?このコンテストには世界中の女性から応募が殺到し、その数は約5万人。インターネット上や電話での受付で、中には外国籍の華僑もいたという。最年少は18歳、最高で50歳代の女性も応募したが、実際の審査は20歳から30歳の女性に絞られる。女性の参加費は無料だが、その審査は大変厳しいものだ。

 選抜コンテストは第一次から第4次まで行なわれ、一次では容姿や雰囲気、二次では教養、3次では良妻賢母の資質を持っているかを審査。4次では家庭訪問まで行なわれる。

 まずは、広州、深セン、北京、上海で第一次審査が行なわれた。参加女性は、弁護士や通訳、不動産業など各業界から集まった才女ばかり。容姿や心理分析、結婚観などの審査のほか、風水師による人相の審査まで行なわれた。

 香港の有名な風水師によると、頬骨が高く、顎は丸く、鼻が長いことが“あげまん相”の条件だという。このほか、四柱推命による占いも行なわれた。ただ美しければ良いというわけではない。広州で行なわれた審査に参加した約1000人のうち、2次に進めるのは200~300人。これから18の枠をめぐって女性たちの富豪争奪戦が行なわれるが、倍率は3000倍にもなる。

 参加した女性は、玉の輿だけが目的ではないようだ。大学院を卒業し留学の経験もあるエリート女性は、平日は仕事に忙しく、週末も勉強に明け暮れ、求める男性像の理想も高く「人生において大切な結婚についてよく考える時間がなかった」と話す。

 中国古代でも、皇帝が妃を求めて全国の美女を集めたというが、現代は皇帝が“お金持ち”に置き換わったようだ。しかし、ある参加女性は「古代とまったく同じとはいえない。妃選びは強制的だが、現在の私達は選ばれる立場だけれども、付き合って合わなかったら断ることができるから」と話していた。


(写真はイメージ)

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