三共・毒島会長の資産管理会社が10億円所得隠し

 フォーブスなどの長者番付の常連である、毒島秀行・三共(SANKYO)会長の資産管理会社「マーフコーポレーション」が、東京国税局の税務調査を受け、約10億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。重加算税など追徴税額は約3億円とみられる。

 NHKなどの報道によると、マーフ社は2007年、保有していたパチンコプリペイドカード販売会社の株式をSANKYOの関係者らに廉価で売却し。マーフ社は売却した株を数カ月後に約10億円で買い戻したとされる。国税局は意図的に高値で買い戻すことによって、SANKYO関係者に利益を供与したものと判断したと見られる。

 マーフコーポレーション(東京・巣鴨)は、SANKYOの15.42%の株式を保有する筆頭株主となっている。毒島氏の資産は、フォーブスによると約4300億円とされている。

 こうした管理会社は、個人の資産や会社の資産も移しやすいために、ここを舞台にした申告漏れや所得隠しを指摘された例は、過去にさかのぼっても多い。

 2005年には、ソニー創業者の故盛田昭夫氏の長男が社長を務めていた食品販売会社「レイケイ」(実施的に資産管理会社)が3年間で約230億円の申告漏れを指摘された。

 長男が100%出資の投資会社(オランダ)がF1事業の失敗で、銀行返済資金を貸し付け、子会社整理に伴う損金として計上したが、貸付ではなく贈与と認定された。レイケイは事業失敗の穴埋めで資産を減らし続け、追徴課税を受けた後に解散している。

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