「バチカン銀行」が26億円のマネーロンダリングの疑い

 ローマ法王庁の資金を管理する組織が、マネーロンダリング(資金洗浄)を行った疑いでイタリア司法当局の摘発を受け、約26億円が押収された。

 AFP通信などによると、バチカン銀行は、イタリアの銀行に預けていた資金を送金者の名前などの情報を明かすことなく送金し、マネーロンダリングの防止に関する法律に違反した疑いがあるとして、当局が預金26億円を押収し、捜査を続けている。送金は合計2回に渡っているという。

 現在はマネーロンダリング防止のために、法律上、送金者名を明らかにしなければならなくなった。

 今回、摘発されたのは「宗教事業協会」(Istituto per le Opere di Religione)で、ローマ法王庁の資金の管理を一手に引き受けており、通称「バチカン銀行」と呼ばれている。昨年11月にも約80億円分が、受取人などの名前が明らかにされておらず、問題となった。今回、誰もその全容を知らないとされる団体であり、捜査が入ったことは異例でもある。

 イタリア当局が、独立国家であるバチカン市国に対して、どこまで捜査のメスを入れることができるかにも注目が集まる。


イースター祭時のバチカン市国。 左はベネディクト16世

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