記念受験は減少も倍率13.5倍の「慶応幼稚舎」

 お受験界で不動の人気を誇る「慶応義塾幼稚舎」。11月に行われた選考で、景気の影響を受けて記念受験者が減ったものの、全体の倍率13.5倍で、この景気低迷下にあっても相変わらず狭き門だった。

 11月に行われた2011年度の選抜考査は、男子定員96名に対して志願者数が1167名。女子は同48名に対して777名。志願者数は前年比で男子が17名、女子が143名減ったが、それでも全体の倍率は13.5倍に達する。小中高の受験情報に詳しく、「お受験じょうほう」等のサイトを運営するバレクセルの野倉学代表は、「不景気のあおりで〝記念受験組〟が減っただけで、レベルの高い者同士の実質的な倍率は変わらなかった」と語る。

 ちなみに選抜方法は「行動観察(コーナーで遊ぶ)」20分、「運動」(模擬体操、サーキット等)20分、「個別(絵画、制作等)」30分。それにしても、この計70分間で果たして何の能力を基準に選抜をするのだろうか。学校側は「幼稚舎の入学試験はさまざまな活動を通じて、子供のありのままの姿をみるもので、できるかできないかを判断する試験ではない」と説明する。
 
 野倉氏によれば「これで完璧というセオリーはないが、『課題を見出す力や解決力を養う』など入試のポイント、『先生に質問されたら作業の手を止め、先生の目をみて答えるようにする』など受験対策上の注意点は指摘できる」とのこと。選抜にあたって、親子の面接はない。

 求められているのは「運動ができて、ルールを守り、作業を通じて課題を見出し、解決へ導く発想ができる子ども」。それにしても明確な選抜基準がないだけに、お受験対策に打ち込む保護者は悩ましい。

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