止まらない「レアアース」の価格上昇

 中国の対日輸出が改善し始めたにもかかわらず、レアアースの価格上昇が止まらない。輸入先の多様化も進めているが、日本への供給が本格化するのは2012年以降の見込み。レアアースの価格上昇は、当面のところ止まりそうもない。

 レアアースの主要品目の価格は11月、前月比で約2割上昇した。ハイブリッド車のモーターに使う強力磁石の原料となる「ネオジウム」は前月比24%上昇、液晶ガラスの研磨剤に使うセリウムが同18%の上昇。

 レアアースは中国が世界全体の97%を生産しており、輸入先の多様化による安定供給の確保が課題。埋蔵量は独立国家共同体(CIS)諸国や米国、オーストラリアなど世界各国で確認されているが、採掘・供給増加にはある程度の時間が必要だ。

 政府は今年度の補正予算で、「新たな調達先確保のための鉱山開発や利権確保」「代替素材開発・リサイクル施設の整備」に予算を付けたが、即効性は期待できない。原料によっては2011年に備蓄が枯渇することも懸念されており、脱中国依存は急務だ。


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