ノーリツ鋼機が「和歌山愛」で東京移転を撤回

 ノーリツ鋼機は、東京への本社移転計画を撤回し、現在のまま和歌山市に本社を置くことを発表した。人材確保、情報網、営業拠点を求めて東京に移転した地方企業が多い中で、「創業の地である和歌山への貢献を念頭におきながら事業の成長を目指す」として、創業の地にとどまることを決めた。

 「和歌山愛」を貫いた上で、首都圏での事業展開の加速を目指す道を選んだノーリツ鋼機。来年2月から東京への本社移転を11月に発表したばかりだったが、地元財界からの要望も強く、創業の地を選んだ。

 創業者の故・西本貫一氏が和歌山県海草郡(現・和歌山市)生まれ。戦時中に腕を負傷したため家業の農家を継ぐことを断念し、写真館を開業。写真現像機のミニラボを開発し、世界的な知名度を誇る企業にまで育て上げた。地元でも有数の企業でもあり、流出は和歌山財界にとっても避けたかったところ。

 また、ノーリツは海外での売り上げ比率が国内以上に高く、あえて東京に本社を置くメリットが大きいのかどうか疑問視もされていた。

 ノーリツは今後「首都圏における情報網、各種外部ネットワーク等を活用した事業展開の加速化という方針に変更はございません」として、さらに首都圏での事業展開を進める。

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